20日、FIFAワールドカップカタール2022が開幕した。同日、カタール代表とエクアドル代表の開幕戦が行われた『アル・バイト・スタジアム』では開会式が催されたが、イギリスメディア『BBC』が放送を見送ったことが議論を呼んでいる。

 今回のW杯は、史上初の中東開催ということで多くの注目を集めている。一方で、現地・カタールにおける労働者の人権問題、LGBTQや女性への差別といった問題に対する批判の声も多数挙がっており、なかでも欧米からは辛辣な意見が聞こえてくる。

 イギリス紙『デイリー・メール』は20日、「初日から茶番劇に突入したカタールW杯」と見出しをつけて開会式をレポート。2018年に女性らから性的ハラスメント行為を告発されたアメリカ人俳優のモーガン・フリーマン氏が開会式の司会を務めたことも、皮肉を込めて報じた。また、『BBC』は開会式を放送せず、同時刻にカタールW杯が与える悪影響を紹介する番組を放送した。

 カタールでのW杯開催に多くの批判が集まるなか、開会式を放送しなかった『BBC』の判断を支持する声が挙がる一方で、否定的な意見も見受けられる。イギリス人ジャーナリストのロベルト・カーター氏は、自身のTwitterで「BBCは、これまでW杯の開会式をボイコットしたことはなかった。イギリス国家の口利きによる恥ずべき行為で、カタールはBBCを追放することを検討すべき」と、開会式の放送ボイコットに批判的なコメントを出した。

 カタールでの開催の是非が問われ続けているW杯、今後も議論は継続されそうだ。