スペインとの決戦を前に、手厳しい論評だ。

 米スポーツチャンネル『ESPN』は11月30日、カタール・ワールドカップのグループE第2節でコスタリカに敗れた日本代表の森保一監督について、その姿勢が選手に影響を及ぼしていると報じた。

 初戦で強豪ドイツに2-1と逆転勝利した日本だが、連勝が期待されたコスタリカ戦では終盤の一発で0-1と黒星。ドイツ戦で後半からシステムを変えた手腕を称賛された森保監督だが、先発5人を代えて臨んだコスタリカ戦で敗れ、一転して批判を浴びせられている。

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 常に欧州勢への敬意を欠かさない森保監督について、ESPNは「謙虚であり、対戦相手に敬意を示すのは、まったく悪いことではない。日本文化では当然のよく知られた特長であり、実際にヨーロッパは数十年にわたって世界のサッカー界の旗頭だった」と理解を示した。

 そのうえで、「今大会で悲惨だった欧州勢がたくさんあることを考えれば、モリヤスがそのように過剰なまでに一般論とし、欧州サッカーを絶えず賞賛することの大きな問題は、試合が始まる前から負けていると選手が考えるような劣等感につながりかねないことだ」と続けている。

「モリヤスが選手たちにスペインを倒すことはできる、『自分を信じろ』と呼びかけながらも、『我々は追いつこうとしており、まだ学ぶことがたくさんある』と主張するのは、やや混乱を招きかねない。相手を崇拝することで、モリヤスは自軍の選手たちにふさわしい敬意を示せていない。彼が大会に招集した26選手のうち、これまで欧州で戦ったことがないのは5人だけだ」(実際は4人)

 さらに、ESPNは「ドイツを倒したのと同じチームであれば、コスタリカ戦で容易にまた3ポイントを獲得できたはずだ。そうすれば、1試合を残してベスト16進出が決まっていた」と、コスタリカ戦の戦い方を改めて批判した。

「またも相手をリスペクトし過ぎたのか、それとも明らかに自分たちが有利な試合でもリスクを回避しようとするモリヤスのやり方なのか、日本はためらいがちで消極的だった。積極性や発想力に欠け、最終的には81分の不意の一発で、4チームが2枠を争う混戦に引きずり込まれたのだ」
 


 日本はスペインに勝てず、グループステージ敗退に終わるとの見方は少なくない。ESPNも「日本やほかのアジアの国々が、スペインやドイツ、フランス、ブラジル、アルゼンチンといった、ずっとタイトルを競ってきたレベルのチームと安定的に肩を並べるにはほど遠いのは否めない」とした。

 だがそのうえで、ESPNは「トーナメント形式の大会、特にワールドカップのような番狂わせがあり得る大会において、サムライブルーがスペインのような強豪相手に90分でサプライズを起こすことは容易にあり得るはずだ。彼らはすでにドイツ戦でそれをやっている」と締めくくっている。
 


「今こそ、自分を信じろというモリヤスが、口先だけでなく行動で示し、スペインを倒して決勝トーナメント進出を果たそうという意図とシステムで選手を送り出すことに自信を示してくれさえすればいいのだが」

 森保監督と日本代表は、どのような姿勢でスペイン戦に臨むのか。勝負のときが近づいている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部