FIFAワールドカップカタール2022・グループC第3節(最終節)が11月30日に行われ、サウジアラビア代表はメキシコ代表に1-2で敗れた。試合後、サウジアラビア代表を率いるエルヴェ・ルナール監督が会見に出席した。FIFA公式サイトがその様子を伝えている。
開幕戦でアルゼンチン代表を破り、大会随一の“サプライズ”を起こしたサウジアラビア代表だったが、続くポーランド代表との第2節はPK失敗なども響いて0-2で敗戦。1994年のアメリカ大会以来28年ぶりの決勝トーナメントに駒を進めるためには、最終節で引き分け以上、他会場の結果を待たずに決めるには勝利が求められる状況だっだ。
しかし、試合は8大会連続の決勝トーナメントに進出に向けて後がないメキシコ代表が攻め続ける展開となる。GKモハメド・アル・オワイス(アル・ヒラル)の好セーブもあってスコアレスの時間が続いたものの、37分にはアリ・アル・ブライヒ(アル・ヒラル)が負傷でプレー続行不可能となるアクシデントが発生。“守備の要”を欠いて残りの時間を戦うことを強いられた。後半に入るとメキシコ代表が遂に均衡を破り、47分にエンリ・マルティン(クラブ・アメリカ)のゴールを許す。続く52分にはルイス・チャベス(パチューカ)に直接フリーキックを決められ、窮地に追い込まれた。グループ突破のためにはあと1点が必要なメキシコ代表は波状攻撃を続けたものの、サウジアラビア代表はこれ以上の失点は許さず。後半アディショナルタイムにはサレム・アル・ドサリ(アル・ヒラル)のゴールで1点を返し、試合はタイムアップを迎えた。
この結果、サウジアラビア代表は最下位で大会を去ることが決定。メキシコ代表も得失点差でポーランド代表を上回ることができず、3位で敗退が決まっていた。
会見場で試合を振り返ったルナール監督は、「我々は何人かの選手を欠いた状態で試合臨まなければならなかった」と話した後、「メキシコは得失点差の関係で多くのゴールが必要で、良い入りを見せて我々のゴールを脅かしてくることはわかっていた。けれども、試合は中盤での闘いで負けてしまうことが多く、距離感も良くなかった」と語った。「序盤から試合が壊れなかったのはGKのおかげだ。メキシコがもう1点必要だった中、試合に希望を持たせてくれた」とも話し、GKアル・オワイスを称賛している。
敗退が決まったものの、ルナール監督は「大会全体について話すと、全力を尽くしてくれた選手たちに『おめでとう』と伝えたい。今日の試合は我々の望んだ結果にはならなかったが、我々がこの大会で成し遂げたことを忘れることはない。彼らの働きを誇りに思う」とコメント。今大会のサウジアラビア代表の選手たちが見せたパフォーマンスを最後まで褒め称えた。