日本代表のDF冨安健洋(アーセナル/イングランド)が、3日のトレーニング終了後にメディア対応に応じた。
カタール合流後も別メニュー調整を強いられていた冨安は、FIFAワールドカップカタール2022・グループステージの3試合でもプレー時間を制限。初陣のドイツ代表戦は後半開始と同時にピッチに立ち、第2節のコスタリカ代表戦は出場せず、第3節のスペイン代表戦でも約20分間の出場にとどまった。だが、ピッチに立つとその存在感は抜群だ。5日に控えたクロアチア代表との決勝トーナメント1回戦では板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)が出場停止のため、冨安にかかる期待も大きい。トレーニングを終えた冨安は「問題ないです」と話しており、今大会初のスタメン起用も期待できるかもしれない。
スペイン代表との一戦では、押し込まれる時間が続いた後半途中からピッチに立った。冨安は「奪ったボールをクリアしても多分2、3秒しか稼げなくて、それだとずっと攻められて、どうしてもチャンスは作られてしまう。そこでボールを奪って自分たちのボールにするところは、絶対にやらなければいけないところ」とスペイン代表との一戦で感じたチームとしての課題を口にする。「あとはファウルをもらうだったり、そういうのも含めてそこは大きなテーマにはなると思っています」と話した。
次の対戦相手であるクロアチア代表は豊富なタレントを抱えており、2018年にロシアで行われた前回大会では準優勝と力を見せた。トーナメントでの対戦ということで延長戦やPK戦のことも頭に入れておく必要があるが、冨安は「前回大会でもPKや延長で勝ち上がっていますし、そこの粘り強さは明らかに特徴として持っている」と、“ファイナリスト”となったクロアチア代表を分析。「でも、僕らもそこの部分は負けてはいけないと思う。交代選手が結果を出して、勝ち点を取ってきている部分においてはポジティブですし、スターターとフィニッシャーという風に、森保さんもスタメンとサブ組と捉えていないという話もしていました。そういう意味ではフィニッシャーも準備しないといけないですし、それができるチームだと思っています」とも続け、“長期戦”でも戦えるという自信を示している。
今大会のクロアチア代表については、「もちろん4点取ってますけど、どちらかというと堅い。3試合で失点『1』のところの方が印象には残っています」とコメント。また、トーナメント形式ということも踏まえた上で、クロアチア代表戦は「堅い試合をするべき、そういう意味では僕はDFなので無失点に抑えることができればいいかなと思います」と語った。
コスタリカ代表との一戦では慎重な試合の入りを見せて破れる結果となったが、冨安自身は「あの試合は(勝ち点)『1』か『3』なのか難しい部分があったからああいう試合になってしまったんじゃないかと思っていて」と明かす。「今回はノックアウトステージですし、中途半端にならず、しっかり守る時は守るし、取りに行く時は取りに行く、もう少しハッキリしなければならないと思っています」と話した後、「ああいった試合(コスタリカ代表戦)は結果として負けていますし、中途半端で泣くのが1番良くない。悔いが残る。しっかり僕たちの100%を出し切る試合にできればと思います」と意気込んだ。
勝てば日本代表にとって初となる準々決勝の舞台に駒を進めることができる。冨安にとっては今回が初めてのワールドカップだが、前回のベルギー代表戦を見て「あれこそが難しさというか今まで破れていない壁だと思っているので」と話す。「その前のパラグアイの時もPK負けで敗れなかったですし、だから簡単ではないと思って、何かがそこにあると思います」と続けたが、今回の代表チームは壁を打ち破ることのできる集団だと主張している。
「このチームはそういったものも破っていける力があると信じている。本当に自分たちのことを信じることが力になるので、考え過ぎずに、感じたままにプレーするのが1番。信じて次のステージに行ければいいのかなと思いますね」