アーセナル所属の日本代表DF冨安健洋(24)は、FIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)で活躍。カタールW杯オランダ代表DFデンゼル・ダンフリース(26)の交換要員として、セリエA(イタリア1部)の強豪インテルへ移籍する可能性が報じられている。しかし欧州の移籍市場に精通するイタリア人ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏は、このトレード移籍報道に否定的な見解を示しているようだ。12日、英メディア『Caught Offside』が伝えている。

 ダンフリースは昨年8月、オランダ1部PSVアイントホーフェンからインテルへ完全移籍。今季はここまで公式戦ほぼ全試合で先発出場と、右ウイングバックでレギュラーに定着。カタールW杯でも準々決勝・アルゼンチン戦までの全5試合でフル出場していた。

 そんなダンフリースの去就については、チェルシーやマンチェスター・ユナイテッド、トッテナム・ホットスパーからの関心が伝えているが、獲得には高額の移籍金を要するとみられている。またダンフリースの獲得を狙うアーセナルに対して、インテルが移籍金4000万ユーロ(約56億5000万円)にくわえて冨安健洋の譲渡を求めたとイタリアメディア『カルチョメルカート』が伝えていた。

 この報道に対して、ロマーノ氏は「インテルは現時点でダンフリースとの交換取引を求めていない。移籍金が高額であろうとなかろうと、これが彼らのスタンスである。少なくとも今季いっぱいダンフリースをチームに留めることが絶対的な優先事項だ」とコメント。

 「アーセナルからの関心や冨安健洋を含むトレード移籍の噂もあるが、アーセナルがそこに大金を投じるとは思えない」と、アーセナルがダンフリースの獲得に動くことはないと主張したのだ。

 なお冨安健洋は今季開幕当初、コンディション不良の影響もあり右サイドバックでイングランド代表DFベン・ホワイトのバックアッパーに甘んじていた。しかし10月9日のプレミアリーグ第10節・リバプール戦でエジプト代表FWモハメド・サラー(30)とマッチアップを制して勝利に貢献。これをきっかけに、左サイドバックでスコットランド代表DFキーラン・ティアニーからレギュラーを奪っている。

 また同選手はカタールW杯に参戦すると、先月23日のグループリーグ初戦・ドイツ戦で後半45分間プレーし勝利に貢献。右太ももの違和感によりコスタリカ戦を欠場したが、今月2日のスペイン戦では後半途中から出場し、守備で奮闘。6日の決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦ではフル出場したが、日本代表はPK戦の末に敗れている。