ゲームのインテンシティも高い

フットボールの部分にだけ注目するなら、今回のFIFAワールドカップ・カタール大会は史上最高の大会なのだろうか。

英『Sportbible』は、グループステージの戦いは史上最高だったと振り返っている。特長の1つはサプライズの多さだ。日本、韓国、オーストラリアとアジア勢が3チームもベスト16に入ったこともそうで、同じアジア勢ではサウジアラビアもアルゼンチンを2-1で撃破するというワールドカップ史に残るサプライズを起こした。

オーストラリアもベスト16ではアルゼンチン相手に最後まで喰らいついており、一方的なワンサイドゲームが少ない印象だ。黄金世代にとって最後の挑戦とされたベルギーがグループステージで消えたり、どの試合も予想がつきにくい。

また今大会は欧州のリーグ戦を中断して行われており、これまでとは開催時期に違いがある。当初は不安の声も多かったが、11月開催の方が選手のコンディションが良いのではないかとの見方もある。加えて今大会は交代枠も5つに増えており、インテンシティを最後まで持続できているチームが目立っている。これも面白く感じられる理由だろう。

さらなる要素としては、今大会はインプレイの時間をきっちり確保することを目的としていることもあり、これまでよりアディショナルタイムが長くなっている。ドイツ、スペインを撃破した日本代表の場合は両試合とも後半のアディショナルタイムが7分もあり、これには解説の本田圭佑も「7分!?」と驚いていた。勝っているチームからすれば大変だが、アディショナルタイムが長いことで土壇場の攻防が面白くなっている側面もある。露骨な時間稼ぎ等は意味がないのだ。

グループステージから眠れない日々を続けている日本のサッカーファンも少なくないはずで、プレイのクオリティは過去最高と言っていいかもしれない。