最終ラインで放つ存在感は圧倒的

ベスト16で韓国代表を4-1のスコアで圧倒するなど、FIFAワールドカップ・カタール大会優勝候補の一角に挙げられるブラジル代表が止まらない。

ネイマールも復帰した攻撃陣は韓国戦で踊るようにパスを繋ぎ、観衆を魅了。その攻撃陣はとにかく派手だ。

だが、渋くゴールを守り続ける守備陣も忘れてはならない。韓国戦では1失点したものの、ここまで抜群の安定感でチームを束ねているDFチアゴ・シウバも特別な選手だ。

韓国戦では華麗なアシストまで決めていたが、今大会のチアゴ・シウバはMVP級のプレイを見せていると言っても大袈裟ではない。ブラジルが優勝するならば、チアゴ・シウバがMVPでもいいだろう。

チアゴ・シウバは38歳と大ベテランの領域に入っているが、スペイン『as』は「25歳のようにプレイしている」と絶賛。今のところ衰えの気配はまるで見えない。マルキーニョスとのコンビも安定しており、右サイドバックにエデル・ミリトンまで入る最終ラインは隙がない。

「キャリアの中でフィジカル的に最高の状態かは分からないが、メンタル面はそうだ。マルキーニョスとは互いを理解しているから、一緒にプレイするのはとても簡単だ。隣に彼がいるのは贅沢なことだよ。彼はいつも良いポジショニングで僕を助けてくれる」

チアゴ・シウバはこのようにコメントしており、良い状態で戦えているのは間違いない。攻撃ではきっちりと縦にボールをつけ、守備では最終ラインを統率。1対1の攻防もさすがだ。

2006年のドイツ大会では優勝したイタリア代表DFファビオ・カンナバーロがシルバーボールに選ばれていたが、チアゴ・シウバの存在感もそれに近いものがあるのではないか。このままブラジルが優勝すれば、チアゴ・シウバにもかなり高い評価がつくはずだ。

衰え知らずの鉄人DFは悲願の優勝を果たすのか。まずはベスト8のクロアチア戦でもきっちりと相手攻撃陣を抑えたい。