南アフリカW杯で韓国を率いたホ・ジュンム氏のインタビューを受けてコラムを展開

 カタール・ワールドカップ(W杯)において、日本代表と韓国代表はともにベスト16という結果だった。2010年の南アフリカW杯で韓国を率いたホ・ジュンム氏が先日、韓国紙「東亜日報」のインタビューで「日本は我々よりも先にいる」と語ったことが話題となったが、同紙は「現実は思ったよりもはるかに深刻だ」とその差に愕然としている。

 日本はドイツ代表、コスタリカ代表、スペイン代表という“死の組”とも言われるグループEに入ったなか、ドイツとスペインを破って2勝1敗で首位通過。決勝トーナメント1回戦で今大会3位に輝くクロアチア代表にPK戦の末に敗れたが、勇敢な戦いぶりは世界から称賛を浴びた。

 一方の韓国は、ポルトガル代表、ウルグアイ代表、ガーナ代表と同居するグループHで1勝1分1敗。最終戦でポルトガルを破り、ウルグアイと勝ち点4で並んだなか、総得点で上回って歓喜のグループ突破を決めた。ベスト16では王国ブラジル代表に1-4と力の差を見せつけられたとはいえ、日本とともにアジアの意地を見せたと言っていい。

 そのなかで、「東亜日報」紙は2010年の南アフリカW杯で韓国を率いたホ・ジュンム氏のインタビューを掲載。「日本は長期的な計画を立てて不足している面を補強し、底上げしているため、優秀な選手が絶えず輩出され、戦力が非常に安定している。基礎や技術の面では、今や日本が韓国より先にいる。今回のW杯でのドイツ戦、スペイン戦で後半に逆転するのを見れば、メンタル面の向上も見て取れる。競り合いになっても全然倒れなかった」と、日韓の差が生じ始めていると指摘したことが大きな注目を集めた。

 記事では、「ホ・ジュンム元監督はたくさんの話をしてくれた。しかし、私が聞いて一番驚いたのは、言及するのも嫌だが、今は日本が我々よりも強いということだった。サッカー関係者やサッカーへの関心が多い人たちはすでに知っている話だという」として、韓国サッカーの現状について触れている。

「韓日戦で敗れたことはあるが、サッカーの根本的なレベルが指摘されたことはあまりなかった。しかし、現実は我々が思っているよりもはるかに深刻だ。日本は選手層も厚く、代表チームの成績も安定している。日本サッカーを模倣するかは別にして、日本が長期的ビジョンを持ち、世界に追いつくために努力している間、我々はあまりにも目の前の韓日戦の勝敗にのみこだわっていたのではないかと、考えてみなければいけないようだ。真の勝利は、サッカーのレベルが上がった結果として伴うものではないだろうか」

 育成年代のシステムを含め、韓国国内でも世界と戦ううえで改善が必要だという論調が強まっているようだ。(FOOTBALL ZONE編集部)