今大会がキャリアで最後のW杯、メッシのW杯初優勝なるか
カタール・ワールドカップ(W杯)の決勝が、12月18日に行われる。1986年メキシコ大会以来、36年ぶり3度目の優勝を目指すのがアルゼンチン代表だ。1986年大会時には、ディエゴ・マラドーナという絶対的なエースがいたが、今のアルゼンチンにもFWリオネル・メッシという絶対的なエースがいる。
13歳でスペイン・バルセロナへ渡り、同国1部FCバルセロナの下部組織からトップチームに昇格したメッシは、2005年に代表デビューを果たした。これまでバルセロナで3度のFIFAクラブW杯優勝を成し遂げているメッシだが、アルゼンチン代表では過去4度W杯に出場したものの、2014年ブラジル大会で準優勝に終わるなど、世界一には立てていない。
現在35歳のメッシは、すでに今大会がキャリアで最後のW杯になることを明言しており、代表で世界一の称号を得るのは今回がラストチャンスとなる。アルゼンチンのサポーターも、史上最多7度のバロンドールを受賞しているメッシに、W杯のタイトルを掴ませることを重要視している。
ここまで今大会の6試合を観戦したというアルベルトさんは、「俺はオフィシャルのチケットを買えたから、家を売る必要はなかった」と笑うが、「メッシにとってラストチャンスになるが?」と質問すると、真顔になり「本当に優勝しないといけない。最高の選手が、最高のタイトルなしでキャリアを終えることは許されない」と語った。
キックオフ2時間前のスタジアムは、まだ空席が目立つ。それでも、アルゼンチンのゴール裏はすでにビッシリとサポーターが入り、水色と白のタオルマフラーを振り回したり、アルゼンチン国旗を振り回したりしながら、大声で歌っている。
アルゼンチンの選手たちが、バスでスタジアムに到着した際の映像が大型ビジョンに流れると、彼らは大きな歓声で選手たちの様子を見守った。そして、最後にメッシがバスから降りると、盛り上がりは頂点へ。世界のサッカーを牽引してきたメッシに、世界一の称号を取らせるために。アルゼンチンのサポーターたちも、ピッチ上の選手たちとともに戦う。(FOOTBALL ZONE特派・河合 拓 / Taku Kawai)