信じられないスピードで得点を量産していく

FIFAワールドカップ・カタール大会の決勝戦は点の取り合いになった。

まずアルゼンチンがリードを得る。23分に獲得したPKを確実にリオネル・メッシが沈め、さらに36分にはアンヘル・ディ・マリアが追加点をゲット。後半は負けじとキリアン・ムバッペが2ゴールを挙げ、2-2で延長に進む。メッシ、ムバッペと両チームのエースのパフォーマンスは冴えわたっており、それぞれ延長でもゴールを奪った。

結果、8ゴールのムバッペが得点王に輝いた。2位は7ゴールのメッシで、3位にはオリヴィエ・ジルーとフリアン・アルバレスが4ゴールで並ぶ。

ムバッペは一つの大会で8ゴールを奪っており、初出場だった2018年のW杯・ロシア大会での4ゴールを合わせると、14試合で12ゴール3アシストと大車輪の活躍を披露していることが分かる。今大会の決勝ではPKがあったとはいえハットトリックを達成しており、これは誰にでも真似できるものではない。

これまでのW杯での通算得点王は元ドイツ代表のFWミロスラフ・クローゼの16ゴールだ。2002年の日韓大会から2014年のブラジル大会までの計4大会に出場してこの偉大な記録を残した。次に来るのは、元ブラジル代表のロナウドで15ゴール。メッシは今大会で7ゴールを積み上げ、計13ゴールとなっている。

ムバッペは23歳と若く、クローゼの数字を更新するのはほぼ確実だ。4年後は27歳、さらに4年後ですら31歳というのだから驚きだ。また次大会のカナダ・メキシコ・アメリカの共同開催では出場枠が32チームから48チームに変わるようで、おそらく試合数も増える。そうなればムバッペの得点記録はさらに伸びることになる。

突破力だけでなく得点力も持ち合わせるムバッペ。彼を一対一で止められるのはカイル・ウォーカーくらいしかおらず、そのウォーカーも30代と若くない。これまではクリスティアーノ・ロナウドやメッシが時代をけん引していたが、ムバッペがその役割を引き継ぐことになるのだろうか。