試合中もスタンドから応援、表彰式ではピッチでともに喜びを分かち合う

 カタール・ワールドカップ(W杯)の決勝戦が現地時間12月18日に行われ、アルゼンチン代表がフランス代表をペナルティーキック(PK)戦で下し、1986年のメキシコ大会以来3度目の優勝を果たした。大会MVPにあたるゴールデンボールも受賞したMFリオネル・メッシの親友である元アルゼンチン代表FWセルヒオ・アグエロ氏にも海外メディアが脚光を当てている。

 アルゼンチンはメッシのPKで先制。さらにFWアンヘル・ディ・マリアの追加点で2点リードも、後半にフランスの反撃を受ける。後半35分にFWキリアン・ムバッペにPKを決められると、その1分後には同点ボレー弾を許し2-2のまま延長戦へ。

 延長後半4分にメッシのゴールで一時勝ち越すも、同13分にムバッペがPKを沈めてハットトリックを達成。3-3のスコアのまま、PK戦に突入した。アルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスの活躍もあり、最終的にPKスコア4-2でアルゼンチンが優勝を決め、メッシは念願のW杯トロフィーを手にした。

 英メディア「スポーツ・バイブル」では、優勝に立ち会ったメッシの親友アグエロ氏にスポットを当て、「すべての感情を表現した」とその姿をサポートしている。

 アグエロ氏は2021年10月のリーグ戦中(FCバルセロナ所属)に胸を抑えて倒れ込み、のちの検査で不整脈が見つかった。同年12月に33歳にして現役引退を決断。盟友メッシとともにW杯を制覇する夢が断たれていたが、今大会にはFIFAのアンバサダーとして参加。同メディアによればアグエロ氏は「1週間を通してアルゼンチン代表のキャンプ地を回り、親友のリオネル・メッシと同室に泊まった」と決勝へと進んだメッシらをサポートし、試合中はスタンドで声援を送ったという。

 白熱した試合を見守っていたアグエロ氏について「ドラムを叩き、アルゼンチンの選手や裏方スタッフが踊る中、ドラムを叩いていた」と様子を伝え、「34歳の彼は120分間に渡るドラマチックな試合を経験し、すべての感情を表現した」と歓喜の瞬間を報じた。

 また試合後にはピッチに降りていき、メッシとともにトロフィーを掲げる姿も。同メディアも「最高の瞬間が訪れた。2006年から2021年の間にアルゼンチン代表として101回プレーしたアグエロは、W杯のトロフィーを持つことを許された。この15年間の祖国への貢献を考えれば、彼にふさわしいリスペクトだ」と賛辞を送り、「アグエロが持ち上げてくれて本当に嬉しい」といったファンの声も伝えている。(FOOTBALL ZONE編集部)