サッカーの審判の概要や役割、どういう人がなれるのか、ワールドカップで笛を吹くために必要なことなどを紹介します。
サッカーの審判について
サッカーでは通常、主審1人、副審2人の3人によって試合が進められます。主審は競技規則を施行し、その他の審判員と協力して試合をコントロールする役割を担っています。
試合開始の笛を吹き、試合時間を計り、試合終了の笛を吹きます。また試合中は得点かどうかの判断や選手の反則行為を見極め、危険な行為には警告や退場処分を科します。
他にもケガをした選手の状態を確認し、ピッチの外に出す判断を下したり、試合の打ち切りを決定したりと、競技規則の範囲におけるすべての権限を有する存在です。
副審はフィールドのタッチライン外側に立ち、主審をサポートする役割です。ボールがラインを出た際に、コーナーキック、ゴールキック、どちらのチームのスローインかどうかを、旗を使って主審に知らせます。ただし、あくまで最終判断は主審に決定権があります。
他にもオフサイドの確認や、競技者が交代する時、近くで反則が起きた時などに主審へと伝達します。またペナルティーキックの際には、ゴールの真横に立ってゴールキーパーの動きに目を配り、ボールが蹴られる前にライン上から足が動いた場合には、主審にその旨を知らせます。
主審と副審のほかに、プロの試合をはじめ多くの大会では、第4の審判員も配置されます。
第4の審判員は主審を援助する役割で、主審がケガなどで走れなくなった時などに、代わって主審を務めることになります。また交代の手続きやボール交換の管理などを行ったり、交代選手の用具チェックや、ボードを使ってアディショナルタイムを表示する役割も担っています。
近年はビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の導入によって、プロの試合などではスタジアムに設置されたビデオ・オペレーション・ルームにVARチームが配置されています。VARチームは通常、VARとAVAR(アシスタント・ビデオ・アシスタント・レフェリー)の2人セットで運用されています。
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サッカーの審判はどういう人がなる?
サッカーの審判を務めるには、資格が必要です。逆に言えば資格があれば、誰でもなることができます。
日本では少年サッカーチームや、中学・高校の部活の指導者が資格を取るケースが多く、競技者自身が資格を取ることも珍しくはありません。最近では元プロ選手がJリーグの審判を務めるケースも出てきており、競技を引退しても、審判員としてサッカーに携わっていきたいという思いを持つ方も増えています。
世界的に有名な審判員であるイタリア人のピエルルイジ・コッリーナさんは元サッカー選手でした。2010年のワールドカップ決勝で主審を務めた英国人のハワード・ウェブさんは、元警察官。日本で最も実績のある審判のひとりである西村雄一(にしむら ゆういち)さんは、サラリーマン生活を送りながらアマチュアサッカーの審判を続け、国際審判員にまで上り詰めました。
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ワールドカップの審判になるためには?
サッカーの審判の資格は「サッカー公認審判員」と「国際サッカー審判員」のふたつがあります。
サッカー公認審判員になるためには、日本では、「審判員資格認定講習会」を各都道府県協会で受講し、認定してもらう必要があります。公認審判員は1~4級の階級があり、Jリーグで笛を吹くためには、1級の資格が必要となります。
ワールドカップで審判を務めるためには、国際サッカー審判員に認定される必要があります。国際サッカー審判員になるためには、各国のサッカー協会がFIFAに登録を申請する形を取っており、通常1級審判員の中から実績に応じて推薦されることになります。
現在、日本人でサッカーの国際審判員に登録されているのは、男女合わせて24名(主審と副審含め)。今回のワールドカップ2022では世界各国から36名の主審、69名の副審、24名のVARが選出され、日本からはJリーグで唯一の女性審判員を務める山下良美(やました よしみ)さんが、主審としてただひとり選ばれています。
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まとめ
サッカーは審判によって試合の質が変わることが珍しくはありません。試合の流れを止めずに笛を吹いたり、ファウルの基準があいまいでプレーする選手にストレスを与えてしまったりすると、試合が荒れてしまうケースもあります。良い笛かどうかを判断するには、試合後のシーンに注目してみてください。選手たちが率先して主審に握手を求める光景は「グッドゲーム」の証と言えるでしょう。