来年4月30日に退位される天皇陛下。1990年、日本国憲法下で初めて天皇に即位され、以来30年間、「象徴天皇」として歩んでこられた。
 生前退位によって天皇陛下は「上皇陛下」に、皇后陛下は「上皇后陛下」になられる。皇室典範によって天皇の終身在位が定められた後、日本で「上皇」が誕生するのは初。江戸時代の光格天皇(1771-1840、院政期間1817-1840)以来約200年ぶりとなる。
 初めて目の当たりにする「上皇」という存在に、私たちはどのように向き合えばいいのだろうか。8月8日に『上皇の日本史』(中公新書ラクレ)を上梓した、歴史学者で東京大学史料編纂所の本郷和人教授に話をうかがった。