将棋の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)が9月17日、棋王戦挑戦者決定トーナメントで斎藤慎太郎八段(28)に109手で敗れ、3回戦で姿を消した。13日に叡王戦五番勝負で、豊島将之竜王(31)から叡王を奪取、最年少19歳1カ月での三冠を達成していたが、本局では同じ関西所属の実力者に中盤以降、押され続ける苦しい展開に。先輩棋士に意地を見せられ、2021年度内の六冠の可能性は消えた。
【中継】棋王戦 挑戦者決定トーナメント 藤井聡太三冠 対 斎藤慎太郎八段
多忙なスケジュールの中、史上初の「10代三冠」を達成した藤井三冠だったが、この日は悩ましい時間が長く続いた。両者の対戦は7局目で、2局目から6局連続となる角換わりからスタートすると、序中盤は互角。ただ中盤の終わりから斎藤八段が抜け出すと、これに藤井三冠が必死に食らいつくような展開に。最終盤での逆転を目指して粘り続けたが、斎藤八段の隙がない将棋に勝機を見つけることができず、ベスト16での敗退が決まった。
藤井三冠は10月に始まる竜王戦七番勝負を制すれば四冠、さらに棋王、王将も年度内に挑戦可能だったが、本局に敗れたことで六冠の可能性は消滅。最大でも五冠までとなった。藤井三冠が豊島竜王以外の棋士に敗れるのは、6月3日の順位戦B級1組、稲葉陽八段(33)戦以来、約3カ月半ぶり。4人のタイトルホルダーを指す「4強」同士の対決に注目が集まりがちな中、改めて藤井三冠の前に立ちはだかろうとする強敵が多いことが示される一局ともなった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)