<大相撲九月場所>◇中日◇19日◇東京・両国国技館
前頭六枚目の阿武咲(阿武松)が前頭九枚目・英乃海(木瀬)を送り出して6勝目を挙げた一番は、立ち合いが合わずに2度の“待った”。その都度、行司のイライラぶりと力士に向けられた冷たい視線に館内がざわつく場面があり、実況が「これはやりにくそうです」とこぼす場面も見られた。
一度目の立ち合い、「手をついて」の低い声が聞こえた次の瞬間、咄嗟に右に変化しながら阿武咲をはたいた英乃海。一瞬で勝負あったかと思われたが、館内に「まだまだ」の声。館内が騒然となる中、ABEMAで実況を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏も「あ、待ったですね」と一言。実況の清野茂樹アナが「あぁ、不成立ですか」と応じると、花田氏は「どっちですかね…手をついていない」と状況を整理しながら次のように続けた。
「(変化した)英乃海はもう、頭が巡り巡っています。分からないですね…裏をかいて(もう一度変化して)くるかもしれません」
そのコメントの最中、微動だにしない行司の冷たく厳しい視線が巨漢力士二人に突き刺さり、両力士は直立不動で戦々恐々。館内のざわめきは収まらずに重苦しい雰囲気に。
そんな中で迎えた2度目の立ち合い。「手をついて、手をついて」と次第に大きくなる行司の声を合図に慎重に立った両力士だったが、再び呼吸が合わず「あ、すみません」とばかりに行司に向き合う両力士の姿に館内からは笑いが起こった。
「両手でチョン、とついているからでは。英乃海が注意を受けているので。焦ってるんですよ、もうバレてしまったから」
花田氏が話すと、行司の迫力に圧倒された視聴者からは「激おこ」「2度おこ」「めっちゃ行司見てるw」と様々な反応が漏れた。
「いやぁ、これはやりにくそうです…英乃海」と清野アナが心中を察して迎えた3度目の立ち合い、一瞬立ち遅れた英乃海が阿武咲の強烈なおっつけに上体を反らされると、左を差されて一気に送り出されて5敗目を喫した。
「やはり取りにくかったか、英乃海」
清野アナの言葉に「う~ん」と切り出した花田氏は「読まれてしまいましたね。最初は立ち合い変化して、二回目はチョンづきで止められましたよね。阿武咲は冷静によく見てましたよね。当たって行くのは正解だと思うのですが…英乃海は焦ってしまって、それ以上攻められないですよね。(英乃海は)相手に読まれているのでは…という感じで足が動いてなかったですよね」と話し、二人の心境を踏まえつつ取組を解説した。
3度目の立ち合いでの決着に館内から拍手が起こる中、ファンからは「これは行司に負けた」「英…かわいそう」「焦ったら負け」「心が乱れた」など、英乃海に対する同情的な声が上がる一方、「良い行司」「手をつかないから悪い」「ちゃんと手をつかんかい」「運が悪かった」。さらには「行司によって違うことも問題」など様々な反応が寄せられた。
なお、この一番をさばいた行司の木村晃之助は四日目の宇良(木瀬)と千代翔馬(九重)の取組でも2度続けて“待った”をかけ、語気を強めて注意する場面があった。(ABEMA『大相撲チャンネル』)
■Pick Up
・キー局全落ち!“下剋上”西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
・現役女子高生の「リアルすぎる日常」をのぞき見
・スポーツコンテンツに適したの“ライブ特化型広告”って何?