Mリーグを勇退 64歳・前原雄大「自分の中での誇り」「勝てばいいってものじゃない」後輩に残した言葉

 2020シーズンを最後に、初年度から参加していたMリーグからの勇退を決めた、元KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)。そのどっしりとした存在感と、今年で64歳とは思えない若々しい麻雀は、多くのファンを魅了した。ただチームメイトには「最初に卒業する」とも話していた前原。Mリーガーとして過ごした3年間に何を思い、後輩たちにどんな言葉を残すのか。

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 Mリーグ初年度の2018シーズン、前原はKONAMI麻雀格闘倶楽部からドラフト3巡目指名を受けて、Mリーガーになった。翌年、KADOKAWAサクラナイツが誕生、沢崎誠(連盟)が参戦したが、初年度では最年長Mリーガーだった。「がらくたリーチ」と呼ばれる、リーチのみや安いリーチでも、勝負と見れば果敢に向かっていく姿は、ファンだけでなく他のプロの指標ともなり、またそのスタイルはそのままKONAMI麻雀格闘倶楽部のチームカラーにぴったりだった。

 ところが、まだドラフト指名をされる前、Mリーグ発足の知らせを聞いた時、自分がMリーガーになること自体には、ぴんと来ていなかった。「自分が入っても、何か違うんじゃないかと。僕の中でMリーグは(選手の年齢が)いっていても、40代までかなと。勝てばいいってものじゃないし」。戦える自信はあった。ただ新しくできるものに、既に60代になっていた自分が参加すべきか否か。そこで背中を押したのがチームメイトでもあり、日本プロ麻雀連盟の後輩・佐々木寿人だった。「勝つために必要な選手だったので、ぜひやってくださいと言いました。麻雀プロは教科書みたいな麻雀ばっかりだけど、前原さんは力でねじ伏せるので」。とにかく勝利に向かってひるまず進む。その覚悟がチームには求められた。後輩の言葉に前原も腹を括った。
 

Mリーグを勇退 64歳・前原雄大「自分の中での誇り」「勝てばいいってものじゃない」後輩に残した言葉

 いざ戦いとなれば、過去に日本プロ麻雀連盟の最高峰タイトル、鳳凰位を4度手にした力は絶大だった。まだ全員が慣れないMリーグという舞台で、その落ち着きぶりは頭一つ抜けていた。またエースではあるが後輩の佐々木、さらにチームで唯一の女性選手・高宮まり(連盟)は、孫娘にようにかわいがり、そして指導した。「高宮はアイドルとして(世に)出てきちゃった。でも(Mリーグで)求められるのはそういうところではないと、あの子なりに分かった。強くなりたい、結果を出したいと。すごく頑張り屋さんなんですよ」。高宮は手が縮んだ1年目から、勇気を振り絞って前に出た2年目に大きく成長。結果もついてきた。「攻める精神。放銃を恐れなくなった。攻める以上、放銃はつきもの。それを怖がってうまくいこうとは、そんな虫のいい話はない。それが分かったから高宮は伸びる」と、その成長に一安心した。

 後輩たちが育つ姿を見届け、かつ選手としては3年目に初めて個人マイナスを叩いたこともあり、身を引くことにした。「結局、KONAMI麻雀格闘倶楽部は(3位)入賞は1回もない。それが現実。僕では力が足りなかった」と、契約を更新しなかった。そこには後悔もない。最初はMリーガーとなったことをためらった前原だが、今ではよかったと感じられる。「Mリーグに少しでも関われたことは、自分の中で誇りにしていかないといけないと思います」。プロ雀士として引退をしたわけではない。元チームメイトとは、これからも卓を囲んで戦うこともあるだろう。後輩がMリーグで苦戦していたら、きっと前原は同卓した時に叱咤激励の言葉をかけることだろう。
(ABEMA/熱闘!Mリーグより)