萩原聖人、屈辱のシーズンを糧に原点回帰「面白い麻雀で勝たなければ意味がない」/麻雀・Mリーグ

 俳優としても活躍するTEAM雷電・萩原聖人にとっては、昨期はこれ以上ない屈辱のシーズンだった。参加30人中、最下位。全選手の中でも最も知名度があるだけに、余計に際立った。ただ、もうそれも「全部忘れました」と笑い飛ばす胆力がある。麻雀プロとして、Mリーガーとして4年目を迎える今期のテーマは原点回帰。「面白い麻雀で勝たなければ意味がない」と、本来の自分を取り戻して、目指すは悲願の頂点だ。

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――悔しい昨シーズンだったと思いますが、振り返りをお願いします。

 結果が本当に悪かったんですけど、誤解を恐れず言えば自分の麻雀を打った。ただ、これが今の実力です。それを踏まえて、いいシーズンだったと今は思っています。そのことに関しては、もう全部忘れました(笑)。あそこはああすればよかった、こうすればよかったという選択肢の振り返りすらできる局面が結構少なかったと自分的には思っているんです。麻雀とはそういうゲームというのがすごくわかったし、Mリーグルールというのはこういうことも起こり得るというのがよくわかりました。

 でも強い人はどんな時でも結果を出していくわけで。ツイてなかったとかツイてたとか、そういう話をしてもしょうがないし。麻雀プロは結果が全て、というところまでいっているか、僕はわからないんですよ。結果を出せばいいってものではない、という立ち位置を自分は崩したくないというか。4年目を迎えるにあたり「雷電ORIGIN」というのを掲げているんですが、原点に帰れたらなと思っています。

――Mリーグも今年で4年目を迎えます。創設当初のMリーグと比べての印象をお願いします。

 個人的な感想でいえば、成長している部分と、なぜここが成長しないのかという部分がどうしてもあるなと。世の中には表と裏というものが絶対にあって、表というのはより良く見せるためにいろいろやる、裏は見せなくていいものの中にはいろんなストレスがあったりとか。裏側の部分が変わってほしいなっていうところが結構あります。

 僕が言っていいのかわからないんですが、選手会というものができないということは、選手の意向がリーグに反映されることがない。あとは時間問題。麻雀というゲームをわかった上で、(夜)12時近くまでかかってしまうというのが、健全と言える競技なのかどうか。子供たちに対してMリーグというものを発信するのが大事なことだとするならば、12時までかかっちゃダメでしょと思ったり。改善の余地があると思うところは他にもたくさんあるんですけど。表の部分でいえばそれぞれのパーソナリティーが育ってきたという人もいる。麻雀のイメージが大きく変わってきたんじゃないかというところもある。でも、それはもうやる前からわかっていたことなんですよ。「あ、こんなことが起こった」ということがもっと生まれて来てほしいと思います。

――まだまだ課題も多くあります。

 現実が見えていないんじゃないかな、という気がします。僕が知らないところもあるかもしれないけど、4年目になってマンネリ、いろんなことが出てくると思うんですよね。やっぱり僕自身は現実をしっかり見ながら、現実は今どうなっているんだろう、Mリーグはどうなっているんだろう、麻雀ってどうなっているんだろうって。考え続けていきたいです。試合に関してはまったく別物で、とにかく楽しませる、勝つという原点だけは変わらないし、変えるものでもない。去年の奮わなかった部分も踏まえて自分なりに思うところがあれば、考えるところもたくさんある。「来年頑張ればいいか」という能天気なことはなくて、僕ももう50歳になったので(笑)。

 もう辞めようか、誰か責任を取らないと、と思ったこともあります。外に発信したいと言い続けてきた僕がこういうことで辞めるのはおかしいかもしれないと。ファンを置き去りにすることになるかもしれないということと、終わるにしても笑って終わらないといけない。いろんな人からお言葉をいただいたんですけど。スッキリはしてます、シンプルですね。

――他チームではMリーグを卒業した選手も出ました。

 まだ自分にしかできないことがあるんじゃないかと抗いたいですね。そう思わなければやる意味がない。Mリーグという舞台に本当に夢があるのか、見ている人の夢に繋がるのか、まだまだ全然模索中ではあります。ただ、一個人の選手がそんなことができるとは思っていないんです。まだ自分にしかできることがあるんじゃないかと、抗いたいと思っています。自分の寿命とか、僕もいい年だし、圧倒的な社会現象になるような人気者とは違うと思っているし、影響力とかは自分の頑張りにもよっていくと思うんですけど、俳優業との頑張りによっていい相乗効果が生めたらいいなとは思うんですよ。

 やっぱり1年目を振り返ればね、すごい取材量だったし、圧倒的に注目されていたんですけど、2年目からパタっとなくなってしまったというのは寂しくもあり、Mリーグが落ち着くのが早いというか(苦笑)。セルフプロデュースっていう意味も含めて、3年経っていろいろ人からいいこと悪いこと言われる中で、成績が悪かったというところでいろいろ言われるのは当たり前だと思うんですけど、「それだけのことじゃん」と自分では思っていて、自分が麻雀に関わってきてやってきたことって、誰にも文句いわれる筋合いがないってことにふっと気づいた。じゃあもっと図々しく自信持ってやろうみたいな。変に謙虚でいる自分っていうのがいたんですよ。この3年間、イメージが大切になる世界というのがわかってはいたんですけど、もっと自分に正直にと。麻雀に関してはこれ以上落ちることは…。麻雀である以上あるかもしれないですけど、これ以上落ちることはまあないんじゃないかなというところもある。そうはいっても期する気持ちっていうのは、今までとは全然違います。

――新加入の本田選手についてはいかがですか。

 僕、前から知ってたんですけど、ヴィジュアルがイケメンで、富山でホストNo.1みたい。役満プリンスって言われてますけど(笑)。会って話すと純朴な感じ。めちゃくちゃいいヤツ。うちのチームにはすごく合うと思います。うちのチームって実は自己顕示欲が強い人っていないんですよ。おおらかで、僕が一番、我が強いんですけど。その中で自然に戦える感じかなっていう人柄ですし、もちろん麻雀は実績もあるし強いんで、何も心配していないです。「3人で優勝する」という目標が叶わなかったのは残念ですけど、目標ってすべて叶えていけるわけじゃないんで。じゃあ、叶わなかったら次に目標を立てて、また新しい形で向かおうっていう風なスタンスになると思います。うちには黒沢さんという、良くも悪くもまったく周りに流されない自由奔放な妖精のような人がいるんでね(笑)。

――最後に目標について一言お願いします。

 今年はもうファイナルとかではなく、優勝しか考えていないですし、どのチームもそれに関しては目指すわけだけれども、ハードルは高く、雷電としての麻雀が原点に返って、面白い麻雀で勝たなければ意味がない。その気持ちはシンプルで、今までで一番強い。勝ちたいという気持ちが僕自身一番強い1年になると思います。
 

萩原聖人、屈辱のシーズンを糧に原点回帰「面白い麻雀で勝たなければ意味がない」/麻雀・Mリーグ
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