将棋界の中でも、その豊富過ぎるほどの研究量で「何でも知っている」「研究の鬼」とも言われる永瀬拓矢王座(29)。将棋に対して、努力こそが強さへとつながると信じ、周囲の棋士からは年間5000時間も研究しているとまで言われたことがある。「時間をかければいいとも思っていないので、効率よくできるところはよくしたいですね。時間ですか?周りと同じくらいじゃないですか」。当の本人はそれほどでもない、といった表情で語っていたが、実際にやっていることはとてつもない。なぜ、そこまで努力できるのか。ものすごく固い決意のようなものが返ってくるかと思いきや、その回答は実に自然体を求めたものだった。