約170人が参加した厳しい戦いを勝ち抜いた自負がある。EX風林火山が開催したオーディションを見事勝ち抜き、ドラフト指名された松ヶ瀬隆弥。所属団体「RMU」のトップ選手としても麻雀界では知られた存在ではあったが、同じMリーグ入りを目指したプロ同士の戦いで頂点に立ったことで、より際立った印象だ。「僕は完全に麻雀の結果で選ばれた人間」と、ここで身につけた自信は、過去のMリーグルーキーとは比較にならない強さがある。「結果を出さなければいけない」と自らにプレッシャーをかける男は、1年目から勝負をかける。
【中継】大和証券 Mリーグ2021 開幕式&開幕戦
――Mリーグ1年目、ドラフト会場で指名をされなかった日からもう3年が経ち、いよいよMリーグ入りを果たしました。
始まってからじゃないとそこまで実感はわかないと思いますが、少しずつ階段を上っているという感じがします。スタートラインに向かっている感じですよね。
――Mリーグの3年間を、どのような思いで見ていましたか。
正直悔しい思いが強かったですよね。自分が出られないというのが。そこにチャンスがやっと巡ってきて、運良く手にすることができたので、嬉しい気持ちがすごい強いのと、これから結果を残していかなければいけないという気持ちがあるので、いろいろ複雑な思いもありますけどやるしかないなと思います。
――プロ団体「RMU」としては2人目のMリーグ入りとなりました。
すごくみんな喜んでくれました。(渋谷ABEMAS)多井隆晴代表が1年目から活躍して早く2人目がRMUから出ればいいなというところで僕が出ることが決まったので、そのことに関して応援をしてくれたし、喜んでくれた人もすごく多いので、団体のためにも頑張らなければ、というのがあります。
――過去にプロ団体同士の対抗戦で、多井選手が「次は松ヶ瀬の時代になる」ということを話していました。
そうですね。できることなら自分が2人目に選ばれたいし、その姿を見せることによって若い子たちにいろいろ頑張ってもらえる力も湧いてくるんじゃないかなと思っていました。
――169人が参加したオーディションで見事優勝し、Mリーグ入りを決めました。
勝てたというのが一番嬉しかったんですけど、Mリーグのルールで約30半荘、結果を出すことができたということ、このルールでもしっかり結果を出せたということを世間に見せられた。自分の自信にも繋がりました。
オーディションは自分のためにもよかったという思いがあります。これからも苦しい状況がたくさんあると思うんですけども、169人の中で一番上に立たなければならないという状況や、それに近い状況というのはそれほど来ない。その中で勝てたということが自分にとって大きな自信になります。戦ってきて、勝って(Mリーグの舞台に)上がってきた選手、というのがまた違いますよね。
僕は完全に麻雀の結果で選ばれた人間なので、やっぱり指名してくれたチームに貢献するためには何が必要かといったら、自分の麻雀での勝利という結果というのはすごく追求していきたいです。結果を出さなければいけないなという強い思いがあります。滝沢和典さんがいなくなって弱くなってしまったと思われるのはすごく悔しいじゃないですか。そういった思いをしたくないんで、そのためにもやはり勝たなければいけないです。
――Mリーガー全32人で、意識するプレイヤーはいますか。
同じ団体の代表の多井さんはすごく意識しますね。個人戦ではなく団体戦で多井さんと戦ったことなんてないです。そもそも10年近く一緒にリーグ戦をやっていて、対戦経験はすごくあるんですけど、それはあくまでもRMUの多井隆晴であって、渋谷ABEMASの多井隆晴と麻雀をしたことがないので、それがすごく楽しみです。自分だけではなく、ファンの方の思いとかも背負った多井さんは、ちょっと違うのかなというのがあります。自分が最も麻雀が強いと思う人の一人なので。
――最後にチームは連覇を目指すことになりますが、個人の目標をお願いします。
ベスト3に入りたいです。そのくらいの成績でやっと合格点かなという感じです。