将棋界の序列1位に君臨する渡辺明名人(棋王、王将、37)が今、力を蓄えている。2021年は王将、棋王、名人という順にタイトルを防衛。三冠を維持したが、昨期失った棋聖を取り返すべく、藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)に挑戦したものの、0勝3敗のストレート負けを喫した。ここで渡辺名人の対局も一段落。年内は対局も少なく、まとまった時間が取れている。「上半期とは違うリズムでやっていますね」と、目先の対局の準備に追われることもないため、今は新たな研究やその準備を進めている。それも今期自分が保持する王将に藤井三冠が挑戦してくることも、十分に想定してのものだ。