岸田総理の「新しい資本主義」、成長と分配のための具体策は会見で見えた?
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 4日夜、初の記者会見に臨んだ岸田総理。『ABEMA Prime』に出演した元産経新聞政治部長でジャーナリストの石橋文登氏は「とても不思議だ。確かに非常に丁寧で、寄り添うような会見だったとは思うが、度々強調していた“新しい資本主義”とは何なのか。本当にやりたいことは何なのだろうか。さっぱり分からなかった」と疑問を呈する。

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岸田総理の「新しい資本主義」、成長と分配のための具体策は会見で見えた?
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 「成長と分配の好循環と、それを実現するための会議を開くということだが、それはアベノミクスと一体何が違うのか。アベノミクスは企業に対してベースアップを強力に要請したり、最低賃金を上げさせたりした。一方、子育て世代、働いている世代に対して手厚くするという課題はあった。そうした部分をもっと具体的に言わないと分からない。税制に切り込むのか。それとも社会保障に切り込むのか。その辺りには触れず、“人生100年時代の不安解消”と言われても、投資家たちは反応しないと思う。だから岸田政権が発足しても、株価が上がらないのではないか」。

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 一方、リディラバ代表の安部敏樹氏は「例えば公的価格の見直しというのは、大きなところに踏み込んだなと思った、保育士や介護士などは公的な仕事であるがゆえに給与が制限されており、結果、人気の職業になりにくい。このままでは人が集まらなくなり、子育ての質が上がらない、高齢化社会に対応するのが難しくなるというときに、最初のポイントとしてそこの賃上げを目指すというのは、かなり具体的で驚いた」とコメント。

 これにジャーナリストの堀潤氏は「岸田さんは総裁選の前に“消費税は触りません”“プライマリーバランスの黒字化はコロナの後だ”と答えていた。消費税に触らずに再分配ということであれば、どのあたりのお金の使い道を変えるということなのか、突っ込んでほしかった」と指摘。「公的価格の話についても、安倍政権も消費税引き上げに関しては保育士の待遇改善に使うと言っていた。今回、言い方を変えて際立たせてはいるけれど、与党としてはやってきた部分でもあるので、もっと詳しく聞きたかった」と応じた。

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 さらに安部氏は「経済を伸ばしていくという部分に関しては、科学技術に投資するという話が出てきた。岸田さんは“デジタル田園都市国家構想”を訴えていたが、投資というのはお金を回収するまでには時間がかかる。そのギャップを埋めるために国債を発行するのか、あるいは消費税を使うのか、財源の問題がなかった印象もある」と指摘。堀氏も「岸田さんらしいなと思ったのは、デジタル技術を活用した個々の能力の向上という話。学校の先生たちの状況をデジタルで管理して、この先生にはこういう研修を、みたいなことができないものかと議論がデジタル庁で始まっているようだが、なかなか難しいという話もあった。そういうところも含め、再分配のためにマイナンバー活用やデジタル活用を進めようという意志は垣間見えた」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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