将棋の王座戦五番勝負の第4局が10月5日に行われ、永瀬拓矢王座(29)が木村一基九段(48)に122手で勝利、シリーズ成績3勝1敗で同タイトル3連覇を果たした。木村九段は2年ぶりのタイトル獲得を目指したが、現在の将棋界における4局の一角は切り崩せなかった。
【中継】王座戦 五番勝負 第四局 永瀬拓矢王座 対 木村一基九段
両者とも粘り強い棋風で、長時間での熱戦が期待されたシリーズだったが、力強さを見せたのは、各棋戦でタイトル、優勝争いを続けている永瀬王座の方だった。勝てば防衛となった本局では、序盤こそ早々に木村九段にポイントを奪われたかに見えたが、徐々に中盤に向かうに連れて持ち直すと、その後は厳しい攻めで木村陣に切り込むことに成功。粘らせれば将棋界でも指折りに木村九段に対して、確実にプレッシャーを与え続ける「負けない将棋」に徹し、3連覇となる白星を手にした。
現在の将棋界は序列1位の渡辺明名人(棋王、王将、37)を筆頭に、豊島将之竜王(31)、藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)、そして永瀬王座という4人のタイトルホルダーに対して「4強」という表現がされている。二冠、さらには三冠を目指す永瀬王座にとっても、昨期叡王を失って一冠となっていただけに、この王座は絶対に手放せないものにもなっていた。百戦錬磨のベテランの挑戦を退け、4強同士のせめぎ合いにしっかりと踏みとどまることになった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)