おもちゃを買ってと駄々をこねる子供としょうがなく買ってあげる母親。
「あんなに ほしがっていたのに もうこんな」
「あんなに きれいにしたのに もうこんな」
子供として、親として、誰もが経験する日常のストーリー。そして、あんなに小さかった子供もすぐに成長。少し前までの「こうだったのに」が、子供によって一瞬で変化していく――。
【映像】成長した子供が家を出ていくシーン(1分30秒ごろ〜)
“あるある”と思ってしまう子育ての出来事を描いた絵本『あんなにあんなに』が、1本の動画としてYouTubeで無料公開されている。作と絵を担当しているのは人気作家・ヨシタケシンスケさんだ。累計13万部を超える大ヒットを記録した同作は、日本だけではなく6カ国語に翻訳され、世界中で愛されている。
すでにYouTubeの動画には「これって私と息子の話だ…」「これ無料で見ていいんか…ポプラ社太っ腹」「ジーンとして涙出ました」といった声が寄せられ、子育てを経験した親から反響が相次いでいる同作。なぜ、書店に並んでいる作品の内容をすべてYouTubeで公開したのだろうか。今回の狙いについて、ポプラ社でヨシタケシンスケさんを担当する藤田沙織さんは「初めての掟破りな手法だった」と話す。
「絵本の中身を全部見せることは、ある種タブーというか『中身が全部(無料で)わかってしまったら、本は買ってもらえないんじゃないか?』みたいな考え方は根強くあります。この本は、本当にすごく読んでほしいと思える中身で、本当に中身を知ってもらいたかったんです。なので、今回掟破りな感じですが、初めてこういうことをやってみました」
立ち読みされたら本を買ってもらえない――。そんな常識と真逆の手法をとった理由には、作品に対する絶対的な自信があるからだという。
「私も子供が2人いて、日々罵倒ばかりですが『今の瞬間も通り過ぎていくんだな……』と思うと、すごいやさしくなれるときがあります。しんみりするだけではなく、笑えるところもたくさん詰まっていたり、じんわり『いいな』と思うところもあったり。子育てに悩んだときにこそ、ぜひ読んでほしいなと思う作品です」
全編動画は、2022年10月31日までYouTubeで無料公開中。 (『ABEMAヒルズ』より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側