「段差で転んだので段差を削れ」耳を疑うクレームにホテル側も愕然 専門家が推奨する驚きのクレーム対処法
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「膝をついて土下座しろ!」

 今月1日、愛知県内のホテルを訪れた男性客が、スタッフが自身の荷物を運ばなかったことに激怒。ロビー中に響き渡る声で従業員を恫喝したうえで、土下座を強要する事態が発生し、波紋を呼んだ。

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 そもそも、このホテルは荷物を運ぶというサービスは行っていない。にもかかわらず、この男性客は「漫画喫茶かビジネスホテル? 漫画喫茶以下だよこのサービス! 言わせてもらうが何万とっているんだよ。俺、不動産会社の社長だけど、ホテルマンのくせに偉そうに! 東京ではありえないよ。ふざけてんのかよ荷物も持たないで休んでいて。それでホテルマンなの?」などと、一方的に従業員を恫喝し続けた。

 当時、現場に居合わせた男性客によると「お前はフィリピン人か。なんで俺は3万円も払っているのに、フィリピン人に接客されなければいけないのか」など、人種差別をほのめかす罵詈雑言を浴びせたうえに「俺は(ホテルの親会社の)社長とも一緒に仕事をしているんだぞ、だからお前らをクビにさせるから」などと脅したという。

 それでも怒りが収まらなかった男性客は「いい加減にしろ。社長に言うからな」と怒鳴りつけながら荷物を持たなかったスタッフの顔を携帯で撮影。「まさか普通の部屋に泊まらせるつもりじゃないだろうな。最上階(の部屋)用意しろ」と要求をエスカレートさせた。他の宿泊客の通報により現場に警察官が駆け付けると、この男性客は泊まらずに帰って行ったという。

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 今回のクレーム行為について、ABEMAABEMA的ニュースショー』に出演した元ビジネスホテルの支配人で現在はコンサルティングをしている奥田晋一さんは「支配人を呼んで小言を言って、料金を踏み倒す人もいた」などと、自らの経験を振り返る。また定住プランで宿泊していた70代男性を例に挙げ「風呂場のシャンプーが肌に合わない。違うものに」「お茶は静岡茶しか飲まない」「たまには高級クッキーを置いてくれ」などの理不尽な要求もあったと続けた。

 相手が大きな声でクレームを言ってきた際の対処法について、奥田さんは「相手の声よりも大きな声で対応する。相手が大きな声できたら、自分が委縮する」と意外な説明をすると「(要求されたものを)置かない理由というのはある。例えば(綿棒が)耳奥に刺さったときに、またホテルの責任にされるのではないか。そういう芽を摘んでおく」とホテル側の立場を説明した。

「段差で転んだので段差を削れ」耳を疑うクレームにホテル側も愕然 専門家が推奨する驚きのクレーム対処法
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 最近になり、普段はホテルを利用しない人の利用が増えたことでクレームの種類も増えたとホテル評論家の瀧澤信秋さんは指摘する。番組が調べたところ「段差で転んだので段差を削って」「HPの写真と違う。部屋を変えてくれ」「掃除の後にリモコンの位置が変わっていた」「ホテルの周りがうるさい。静かにさせろ」といったモンスタークレームが確認された。

 多様化しながら増えていく客のクレームについて、前出の奥田さんは「クレームを誘発しやすくなるので、どんな理由であっても土下座をする必要はまったくない」と言い切る一方、ホテル側の対策として「お客様相談室に警察OBの方を雇うなど、警察への通報可否を判断できる引き出しを持っておけば、安心して対応できる」など対策具体例を挙げた。

 自身の身内にホテル支配人がいるという元埼玉県警捜査一課刑事の佐々木成三氏(44)は「警察を呼んでいい案件か否かはよく相談が来る」と実情を明かしたうえで「(警察に通報すべきか)迷ったら呼べと。土下座強要は強要罪になるし、他のお客様に迷惑をかけて、ホテルの中で鎮静できないということであれば、警察を呼んだ方がいいとアドバイスしている」と明かした。 

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