寄生虫「エキノコックス」愛知・知多半島に定着 湧き水や山菜、犬から感染も…獣医師に聞いた予防法
番組をみる »

 国内で主に北海道で確認され、毎年20人程度の患者が出ている「エキノコックス症」。道外での感染者はほとんどいないため、あまり知られていない感染症だ。

【映像】“沢の水”は飲まないで 「エキノコックス症」愛知県で定着

 そんな「エキノコックス症」が先日、北海道と遠く離れた愛知県の知多半島に定着したと国立感染症研究所が見解を示した。ネット上でも感染を危惧する声が上がる中、大阪で動物病院を開業している獣医師の石井ますみ院長は「知識を持っているだけでかなり違う」と話す。

「北海道の病気で『本州は関係ない』と思われているのですが、そうではありません。自分が犬を飼っていて、一緒に散歩に行く。そこで犬が野ネズミや卵を食べて、(エキノコックスが)体の中に入って感染しても症状が出ません。なので、定期的に駆除しないといけません」

  “エキノコックス”は、キツネや犬などの小腸に寄生する寄生虫のこと。キツネなどのフンと共に排泄されたこのエキノコックス寄生虫の卵が、山の湧き水や山菜、舞い上がった砂ぼこりなどを介し、犬やヒトの口から入り、主に肝臓に寄生して起こる病気だ。

寄生虫「エキノコックス」愛知・知多半島に定着 湧き水や山菜、犬から感染も…獣医師に聞いた予防法

「大学時代は、私も北海道に住んでいました。『怖いな』と思ったのは、感染したときに自覚症状がないことです。5年から20年くらい後になって発症するので、それがほかの病気とは違うところですね」

 エキノコックス症に感染した場合、愛知県衛生研究所によると、第1期の潜伏期間では、およそ5~20年間、無症状が続くという。第2期の進行期では、腹痛や黄疸、肝機能障害などを引き起こす。そして第3期の末期になると、全身状態が強く侵され、肝不全などで死に至る危険性がある。

「経口感染なので口から入って、体の中に虫の卵が寄生して、だんだん人間の場合は主に肝臓で(寄生虫が)大きくなる病気です。(動物にも)ほとんど症状が出ません。犬に寄生していても『ちょっと下痢かな』くらいの症状で、飼い主さんはエキノコックスにかかっているかどうか、気づきません。今、室内飼いの犬が増えているので、そのあたりも怖い部分です」

寄生虫「エキノコックス」愛知・知多半島に定着 湧き水や山菜、犬から感染も…獣医師に聞いた予防法

 人体に入ると長い潜伏期間を経て、重い肝機能障害を引き起こす「エキノコックス症」。予防のために、何をすればいいのだろうか。

「エキノコックスの場合は虫卵になりますが、やはり体の中にそれを入れない必要があります。まず基本は手洗いです。ウイルスではないので、手洗いを徹底していただくと、きれいに落ちます。なので、手洗いして食事を作る、散歩から帰って来たら手洗いをする。まず虫が口の中から入ることを防いでください。あとは、虫はタンパク質ですから、煮沸していただくと死滅します。きれいな水が限られているところでは、とにかく沸騰していただく。変に怖がる必要はないので、正しい知識を持って、予防いただければ。何も知らないで、自然に触れて『沢の水はいいな』と思って口にしちゃうと、ひょっとしたらそこにエキノコックスの虫卵や卵が入っている可能性があります」

 北海道立衛生研究所では昭和25年以来、エキノコックス症の感染拡大を防ぐため調査研究に取り組んでいて、治療や対策は確立されている。我々は馴染みのない感染症への知識を蓄え、適切な予防策をとることが大切だ。(『ABEMAヒルズ』より)

ABEMAヒルズ【平日ひる12時〜生放送】 - 最新NEWS - 忍びよる寄生虫 エキノコックス症とは (ニュース) | 無料動画・見逃し配信を見るなら | ABEMA
【映像】アウトドアで感染も…忍びよる寄生虫 エキノコックス症とは
ABEMA