持ってくる牌に身を委ねるだけでなく、構想力も問われるのが麻雀という競技。単にシャンテンを減らしていくだけなら、ルールを覚えた初級者でもできるが、少し回り道をすることで、より効率よく打点を高められるようになったら、それは雀士としてレベルアップした証だろう。U-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)も、当然ながらそのような打ち回しを強敵ぞろいのMリーグ内でも展開している。
【動画】石橋伸洋の懐深い打牌選択

 場面は10月29日、第1試合の南3局・3巡目。4万400点のトップ目ながら、2着目のセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)が親番。「アガリが大事な局面であり、自身の手に赤が2枚あって、これをアガり切れれば、トップがより近づく局面」と踏んでいた。ここで六万切りならイーシャンテン。ただ、石橋の指が向かったのはカンチャンを崩す一万だった。「まだ3巡目でもあり、カン二万の在処が読めない。もう少し良形の待ちにしたい」と、慌てずにリャンシャンテンに戻した。