将棋の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)が11月3日、将棋日本シリーズ JTプロ公式戦の準決勝第2局で、永瀬拓矢王座(29)に99手で勝利、自身初の決勝進出を決めた。決勝では、前年優勝の豊島将之JT杯覇者(竜王、31)との対戦が決まった。
【中継】「将棋日本シリーズ」準決勝第二局 藤井聡太三冠 対 永瀬拓矢王座
藤井三冠のプロデビュー間もないころから、練習将棋を重ねる間柄である両者の対戦は、本局で8局目。過去の対戦成績では藤井三冠が6勝1敗とリードしていたが、現在の将棋界をリードするタイトルホルダー同士の対戦とあって、多くの将棋ファンが注目を集める一局となっていた。
藤井三冠の先手番から角換わりの出だしになると、序盤から中盤の主導権争いでは互角だったものの、先に踏み込んできた永瀬王座の攻めを強く受け止め徐々にリード。相手の攻めを呼び込むような、危うさもあるような展開に進みつつも、確実な指し手を繰り返して、その差を拡大。攻守、どちらに回っても強い安定感が光る一局となった。
藤井三冠はタイトル5期に加え、棋戦優勝も5回。今年度は棋聖、王位のタイトルを防衛し、叡王を奪取。さらに竜王戦七番勝負でも3連勝で、奪取にあと1勝、最年少四冠に王手をかけている。JT杯プロ公式戦の決勝は21日。豊島JT杯覇者とは、その前の12、13日に竜王戦七番勝負の第4局でも対戦が決まっている。この2局を連勝するようなことがあれば四冠、さらに12人のトップ棋士が集まる棋戦でも優勝を果たし、改めて「藤井時代」の本格的な到来を強く印象づけることになりそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)