将棋の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖、19)が11月12日、竜王戦七番勝負第4局で、豊島将之竜王(31)と午前9時から対局を開始した。藤井三冠は第1局から第3局まで、無傷の3連勝。本局に勝利すれば、ストレートで初の竜王奪取に成功し、史上最年少での四冠達成となる。失冠すれば無冠に転落するという窮地の豊島将之竜王(31)は、巻き返しのためにまずは1勝を目指す。
【中継】第34期 竜王戦 七番勝負 第四局 1日目 豊島将之竜王 対 藤井聡太三冠
将棋界最高峰タイトルの竜王に藤井三冠が初挑戦することで注目を集めた同シリーズは、第1局に藤井三冠が逆転で勝利を収めると第2局、第3局は先にリードを奪ってからは、相手に逆転の糸口を与えない快勝。接戦も予想された中、勢いそのままに3連勝を果たし、あっという間に竜王奪取に王手をかけた。プロ入り後の初対戦から6連敗を喫していた豊島竜王に対しても、直近の6連勝を含み、通算でも12勝9敗と勝ち越し。一時は抱いたとされる苦手意識も完全に克服し、四冠達成に向けて突き進んでいる。
藤井三冠が本局に勝利すると、羽生善治九段(51)が持つ最年少四冠記録、22歳9カ月を大幅に更新する19歳3カ月で奪取となり、史上初の「10代四冠」となる。また竜王を含む四冠で、渡辺明名人(棋王、王将、37)を上回り、序列1位に立つことになる。8つあるタイトルのうち半数を占め、さらに竜王も保持するとなれば、本格的な「藤井時代」の到来を決定づけるものになる。
一方、豊島竜王は2018年度に棋聖で初タイトルを獲得して以来、王位、名人、竜王、叡王とタイトルを獲得してきた。史上4人目の「竜王・名人」も達成したが、この一局に敗れると、ついに無冠に。これを回避するには、七番勝負では過去に2例しかない「3連敗4連勝」を果たすしかない。ただ、この2例はいずれもタイトル保持者が追い詰められた状況から踏ん張り、防衛を果たしたもの。タイトルホルダー4人を指す「4強」に踏みとどまるためにも、まずは1勝をもぎ取りたい。
持ち時間は各8時間の2日制で、先手は豊島竜王。ABEMAでは、この対局を終了まで生放送する。また、カメラ視点を切り替えられるマルチアングル放送も実施している。
(ABEMA/将棋チャンネルより)