将棋を愛し強き者の共通点 藤井聡太竜王・羽生善治九段 2人の天才が竜王獲得の会見で一致した「将棋はわからない」という言葉
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 将棋を強くなるためには、どれだけ結果を出しても探求し続けること。その思いは、2人の天才に同じような言葉を使わせた。11月12、13日に行われた竜王戦七番勝負の第4局で勝利しタイトル奪取、史上最年少での四冠を達成した藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖、19)。対局後の会見で、謙虚にさらなる高みを目指すことを誓っていた。藤井竜王が19歳3カ月という新記録を作るまで、記録を保持していたのが将棋界のレジェンド羽生善治九段(51)。この竜王戦では前人未踏の永世七冠を達成した。この時、会見で残した言葉は、藤井竜王が初の竜王獲得で発した言葉と、とてもよく似ていた。「将棋はわからない」。そんな言葉だ。

【動画】藤井聡太新竜王、誕生の瞬間

 19歳にして最高峰タイトルの竜王を獲得、四冠を保持し、全棋士の頂点に立った藤井竜王。会見で「将棋とは」という質問に、こう答えた。

 藤井竜王 将棋は奥が深くて、どれだけ考えてもわからないものではあるんですが、本当に指すごとに新しい発見を与えてくれるものなのかなと思います。

 そして今から4年前、2017年12月。同じく竜王を獲得し、永世七冠を達成した羽生九段は、今後の目標について聞かれ、こう答えた。

 羽生九段 もちろん記録を目指していくというのもありますが、将棋そのものを本質的にどこまで分かっているのかと言われたら、まだまだよく何もわかっていないというのが実情です。

 19歳にして強豪たちを、勝率8割を超える圧倒的な成績でなぎ倒し棋士No.1となった藤井竜王と、永世七冠に加えタイトル99期など、数々の大記録を打ち立てた羽生九段。将棋が強く、そして深く知る2人が揃って「わからない」という。近年では将棋ソフトの発達により、人間では及ばなかった領域にも光が当たるようにはなってきた。2人ともソフトを活用し、研究は深めている。それでもまだ全容も本質もわからない。わからないからこそ探求がいつまでも続き、見つけたものによって強くなれる。天才と呼ばれる2人が、将棋に魅了され続ける理由だろう。

 2人は先日行われたALSOK杯王将戦の挑戦者決定リーグで対戦し、今年度の名局賞候補の呼び声高い大熱戦を繰り広げた。未知との遭遇の連続だっただろう一局は、2人にとっても刺激的なものだったはず。こんな一局を味わうために、研究を重ね、また盤の前に座る。天才たちの棋士人生は、その繰り返しだ。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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【動画】藤井聡太新竜王が誕生した竜王戦七番勝負第4局
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