偉業達成も、本人はいたって自然体だ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」11月18日の第2試合で、KONAMI麻雀格闘俱楽部・伊達朱里紗（連盟）が今期3勝目を挙げた。10万5500点持ちの＋125.5というスコアはリーグレコードを樹立、アガリ回数は実に9回を数え、見る者を驚嘆させた。
第1試合は首位のEX風林火山・松ヶ瀬隆弥（RMU）が大トップ。序盤戦とはいえ誰かがこのチームに鈴を付けに行かなければならない。この試合はセガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）、EX風林火山・勝又健志（連盟）、伊達、TEAM雷電・黒沢咲（連盟）の並びでスタートした。
試合は魚谷がリードし、伊達はそれを追いかけるという展開。東3局2本場、親満貫のツモで伊達は魚谷をかわす。次局も大きく加点するが、4本場では黒沢へ満貫を放銃。南3局、逆転を期す伊達による、リーグ史上に残る大連荘が始まった。
伊達はまずリーチで親満貫をツモると、ここから3900点（＋300点）、9600点（＋600点）、6000点（＋900点）と連続のアガリ。さらに南3局4本場はツモ・タンヤオ・二盃口・赤の1万8000点（＋1200点）と、レアな二盃口の完成で5局連続の加点を決めると、9万点を超えた持ち点に番組全体が騒然。視聴者は「悪魔的！」「げげげ！」「とまんねーｗ」と沸き立ち、実況の松嶋桃（協会）は「トドメだこれは！」と絶叫、解説を務めていた土田浩翔（最高位戦）は「うーわー」と声にならない声を上げた後に、「何これ…」と絶句。その後も「驚きを超えた」と、目の前の事実が信じられない様子だった。
この時点で持ち点は9万4000点となり、佐々木寿人（連盟）の持つ最多得点記録9万8200点に肉薄。仕上げは南3局5本場、親満貫をツモって持ち点は10万点オーバー、1半荘における最多得点記録を樹立した。6ケタのスコア表記にカメラも寄り、土田は「目がチカチカしますね」とその様子を伝えた。伊達は10万点超えを維持したまま試合終了、今期3勝目を記録的大勝で決めた。
インタビューに登場した伊達は、視聴者が拍子抜けするくらいの自然体で「自覚のないまますごい点数になっちゃった」と試合を振り返った。また「集中していて、点棒のことをあまり気にしていなかった、気付いたら10万点を超えていて…」と天然ともいえる無邪気さを見せると、これには視聴者も圧倒され、「ゾーンに入ってたのか」「そんなこと言ってみてぇ」とコメントが続いた。
個人成績では2位に急浮上、「この調子でてっぺんまで行きたいなと思います」と天を指差し、ファンへ向けては「レギュラーシーズンまだまだ長いですが、気を引き締めて頑張っていきます！」と健闘を誓った。これで首位とは190.3差。独走状態だったライバルチームに鈴を付け、1日で逆転できる差だ。無邪気さと抜群の集中力でアガリ続けた新人選手へ視聴者からは「いけるとこまでいっちゃって！」「KONAMIのエースは伊達ちゃんだよ！」と声援が止むことはなかった。
【第2試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗（連盟）10万5500点／＋125.5
2着 TEAM雷電・黒沢咲（連盟）7600点／▲12.4
3着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未（連盟）5700点／▲34.3
4着 EX風林火山・勝又健志（連盟）－1万8800点／▲78.8
【11月18日終了時点での成績】
1位 EX風林火山 ＋513.2（28/90）
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋322.9（28/90）
3位 赤坂ドリブンズ ▲19.8（26/90）
4位 渋谷ABEMAS ▲42.3（26/90）
5位 KADOKAWAサクラナイツ ▲54.8（26/90）
6位 U-NEXT Pirates ▲161.8（26/90）
7位 セガサミーフェニックス ▲220.3（28/90）
8位 TEAM雷電 ▲337.1（28/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
