将棋の棋王戦挑戦者決定トーナメントが11月24日に行われ、佐藤康光九段(52)が郷田真隆九段(50)に138手で勝利、渡辺明棋王(名人、王将、37)への挑戦権まであと2勝と迫った。
【中継】棋王戦挑戦者決定トーナメント 佐藤康光九段対郷田真隆九段
両者間では通算62局目となった一局は、角換わりから佐藤九段がダイレクト向かい飛車を採用。対抗形になると、守りに使うはずの銀を早々に前線に出す奇策。佐藤九段らしい独創的な指し手を見せた。形勢としては郷田九段が有利、さらには優勢で進めていたものの、両者ともに持ち時間がほぼなくなった最終盤で、郷田九段の指した一手を契機に、形勢が大逆転。一瞬で勝勢になった佐藤九段が、好機を逃さず勝ち切った。
この勝利で佐藤九段は勝者組の決勝に進出。これに勝利すると、敗者復活戦の優勝者と挑戦者決定の二番勝負を行う。勝者組優勝者は1勝、敗者復活戦優勝者は2勝が必要なため、佐藤九段はここから2連勝すれば、挑戦権獲得となる。なお勝者組の決勝の相手は永瀬拓矢王座(29)と豊島将之九段(31)の勝者。
日本将棋連盟の会長としても多忙な日々を送る佐藤九段だが、この勝利で2021年度の成績は24局で17勝7敗、勝率は.7083まで上がり、ついに7割超えとなった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)