「まず父が介護度4になった。父のサポートをしていたら、母が認知症を発症した」
ある日、両親の介護が同時に始まった黒澤うにさん(40代・女性)。支えることが「子どもの務め」だと思った黒澤さんだったが、その生活が5年、6年と続き、先の見えない生活に頭を悩ませてきた。
「気持ちの面でもお金の面でもボロボロになっている。私はシングルマザーで、子供には私が必要なのに、今目前にしている介護という問題の方がつらすぎて……自分がいなくなってしまいたいと思う。そろそろ解放して欲しいと思うのを許してほしい」
ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した黒澤さんは「今は父を特養(特別養護老人ホーム)に入れました」と話す。家族代行サービスを行う一般社団法人LMNの力を借り、サポートを受けたという。
四六時中介護に追われ、勤めていた職場も退職した黒澤さん。フリーランスになったが、収入も減り「いろんなことに疲れてしまった」と明かす。番組の事前インタビューでは「親を捨ててしまいたい」といった言葉を口にしていた黒澤さん。
「(インタビューは)ドラマチックに編集されているが、(本当は親を)捨てきれていない。特養の入居を嫌がる親に『行け』と言いきれず、親からは『お前を呪ってやる』と言われた。やっぱりショックだった。親の尊厳、親は一人の人間だし、私も尊厳を守ってきてもらったからこそ、親の尊厳も守りたいと思うが、全員が全員幸せになる術はない。私もメンタル的に病んでしまったが、そのときに『いやいや、こういった意見もありますよ』とか他の人のケースとか、このまま行った場合にどうなってしまうのかを客観的な視点でLMNさんにアドバイスをもらった。今後はできる限り(介護から)手離れして、できる限り自分の生活を再建したい」
黒澤さんの話を聞いたネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「そもそも生活を削って誰かを手助けしてしまうのがよくない」と指摘。
「家族や子供でもあっても、黒澤さんの生活ができる範囲内で手助けをする。そうすれば、黒澤さんが傷つくことはなかった。生活を削ってまで、誰かを手助けすることで、それが嫌になって、もう手助けするのは嫌だ、早く死ねばいいと思ってしまう。(一時の考えだとしても)そういう考えになっちゃう時点で、助けるために生活を切り崩すことは、僕は問題だと思う。当時はまさかこうなると思っていなかったと思うが、手助けは『できる範囲でやる』という形にした方がいい。メディアが、特養に親を入れるのは良くないことのように発信するのも、僕は問題だと思う」
ここで番組司会の平石アナウンサーは「ひろゆきさんが言っているのは、体も含めて『そうしないと心を病んだりしてしまうよ』といった内容だ。『防衛ラインを引いた方がいいんじゃないですか』と一つのアドバイスとして受け止めていただけるとありがたい」とフォロー。黒澤さんは「その通りだと思う」と理解を示していた。(『ABEMA Prime』より)
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