戦い抜いた男が泣いた。ただ、その涙にもらい泣きする前から、周囲の仲間がもっと泣いていた。それだけでも国内最大級のプロ・アマ大会「麻雀最強戦」の頂点、最強位に輝いた瀬戸熊直樹が、愛されていることがわかる。麻雀の道に人生を捧げ、51歳にして初めてたどり着いた最強位の座。それは最後まで諦めず、また多くの苦しみから全く逃げない男だったからこそ、成し得たものだった。