序盤のドラ切り、思い切った打牌とその理由に、視聴者は唸った。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」12月16日の第2試合、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)が東1局1本場、4巡目にドラの2索を引いて長考。その思考と深い読みが試合後に明かされ、周囲を驚かせた。
この場面、園田は4巡目にソウズで123と持っているところへ、ドラの2索を引く。打牌の候補としてはドラでなければ2索がすぐ浮かび、ドラにつきここでは雀頭を固定する8索が挙げられる。解説の渋川難波(協会)も「2索だけは切りたくない、七対子もあるので8索が自然」としたが、園田はこのドラをリリースした。これに渋川は「誰しも切りたくないと思うじゃないですか、3索引きもあるし、2索そのものもあるし。(でも)ドラじゃなかったら切るんでしょ、ということですね」と解説すると、実況の日吉辰哉(連盟)は「アガる可能性を高めているということでしょう、シンプルに」と続けた。結果はEX風林火山・勝又健志(連盟)の先制リーチに対して園田が追っかけリーチ。これを園田が勝又からロンでリーチ・ドラ・裏ドラの5200点(+300点)を獲得した。
この局について、試合後のインタビューで園田は「いくらでもしゃべります」と当時の思考を披露。「結構、タンヤオに行くルートがあるんですよね」と解説を始めると、まずこの当時の手牌14枚をスラスラと述べ、その記憶力で視聴者を「バケモンかよ」「記憶力やばすぎん?」と驚愕させた。
そして打牌の意図としては「8索打っておくと2索が出てポンというルートもあるかなと思いましたが、8索の後の7索引きはそこから(フリテンターツを残して)メンピン一盃口も狙いたい。鳴いてタンヤオというよりは、メンゼンで広く打った方がいい」と説明した。
さらにその後、8索を打った後の裏目の7索引きについてはTEAM雷電・本田朋広(連盟)と勝又の河を挙げ、「本田さんと勝又さんが9索を切っていて、本田さんはわからないですが、勝又さんは100%関連している。ソウズのブロックがあるので7索は薄いと思って8索を切った(それなのに7索を引いてしまった)」と説明。実際に本田は7索を持っていなかったものの、勝又の手は7索が2枚。高宮が先に1枚捨てており、園田が引いた7索はラス牌だった。
「あの局は裏目ばっかりやっているよなという感じで、最後も2600点で追っかけて、アガれなかったら『何やってんだ』という感じですが、出アガリで裏が乗れば『良かった』となりますよね」と振り返った。序盤から深い思考を取り入れ、状況の変化にもつぶさに反応したトッププロの戦いぶりと試合後の解説に、視聴者は魅了されていた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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