竜王戦の1組ランキング戦の1回戦が12月24日に行われ、渡辺明名人(棋王、王将、37)と豊島将之九段(31)が、持将棋指し直しの末に、107手で勝利した。渡辺名人は1組残留以上が確定。215手で持将棋が成立し、即日指し直しになった一局が終わったのは、翌25日の午前2時57分。クリスマスイブの夜に、将棋界をリードする実力者が、将棋史に残る大熱戦を繰り広げた。
【中継】竜王戦1組 ランキング戦 渡辺明名人 対 豊島将之九段
対局が始まったのは午前10時。豊島九段の先手で始まると、角換わりの出だしから中盤以降は渡辺名人のペースで進んでいた。ただ終盤に入り、お互いの玉が上部に脱出、さらに入玉を果たすと、ここからは得点勝負に。お互い24点以上を確保した状態が続くと、午後11時17分に渡辺名人の方から声をかけ持将棋が成立。30分の休憩を挟み、11時47分から指し直しとなった。
お互いの残り持ち時間に1時間を加算し、渡辺名人1時間、豊島九段1時間6分から始まった指し直し局は、またも角換わりになったが、お互い居玉のままの戦いは中盤までやや豊島九段がリードする展開に。ただ激しい攻め合いになったところで、豊島九段の一手に隙が生まれると、ここから形勢は一気に渡辺名人に。このチャンスを逃さず渡辺名人が押し切った。
午前10時から始まり、昼食休憩・夕食休憩が40分、持将棋後の休憩30分を挟んだが、指し直し局の終局は午前2時57分。対局開始から実に16時間57分という死闘となった。
(ABEMA/将棋チャンネルより)