今は将棋界の最高峰タイトルも保持し、名実ともに棋士のトップに立ったと言われる藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖、19)。昨年の1月は王位・棋聖の二冠で、このタイトルを守れるか、さらには1つでも増やせるかというのが周囲の見立てだったが、8タイトルの半数を占めるという、予想をはるかに上回る結果を出した。本人も「実力以上の結果が出た」と振り返るが、最年少での四冠達成へのブーストとなったのが、ヒューリック杯棋聖戦五番勝負で、渡辺明名人(棋王、王将、37)に3連勝のストレート防衛を果たしたこと。「内容的には際どい将棋が多かった」と語るが、このタイトル初防衛が後の快進撃の呼び水となった。