夜泣きや寝ぐずり、寝かしつけの時間など、子どもの睡眠には細かいケアが欠かせない。先月、乳幼児向けの睡眠サポートプログラムを開発する江崎グリコは「子どもの睡眠の実態・意識」の調査結果を公開。2歳までの子どもを持つ親800人にアンケートを行った結果、乳幼児の就寝時間が遅くなり、さらに短くなっていることが明らかになった。調査によると、よる9時までに寝かしつけたい親が68.8%もいるのに対し、実際は46.1%にとどまり、よる9時~10時の間に就寝する子どもが一番多いという。
共働き世帯の増加やコロナ禍における生活リズムの変化……。自身の子どもの夜泣きをきっかけに、睡眠についての研究、乳幼児の睡眠問題についてのカウンセリングを行っているChildHealthLaboratory代表の森田麻里子医師はこう話す。
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「生後3カ月くらいから小学校に入るまでのお子さんの夜の睡眠時間は、だいたい10~12時間です。最低10時間と考えると、朝7時に起きるとなったら夜9時に寝ないといけないですよね」(以下、森田医師)
WHO(世界保健機関)が推奨する乳幼児の睡眠時間を見ると、1~2歳では昼寝も含め、合計で11~14時間となっている。
「みなさん実感としてあると思いますが、大人でも睡眠不足になると疲れてイライラしますよね。これは子どもでも同じです。例えば、幼児であれば、不機嫌になってイライラした言動が増えてしまったり、赤ちゃんでもイライラしているかどうかは分かりませんが(親から見て)『なんか不機嫌』『なんでこの子は泣いてるんだろう』という時間が増えます」
また、将来への影響について、森田医師は「医学研究ではっきり分かっているところとしては『将来の体重増加につながるんじゃないか』という研究結果は複数出ています。具体的には大きくなったときのBMI(肥満度を表す体格指標)が、睡眠時間が長かった子に比べて、短かった子の方がちょっと高かったという研究結果があります」
OECD(経済協力開発機構)の最新の調査によると、日本人の大人の平均睡眠時間は7時間22分で、30カ国の加盟国のうち最下位だった。長時間労働を前提としたビジネスモデルから抜け出せない日本スタイルが、子供たちの睡眠にも大きく影響を及ぼしている可能性がある。乳幼児の睡眠不足を改善するにはどうしたらいいのだろうか。
「お風呂に入って、歯磨きをして、着替えて寝るみたいな、“寝る前のルーティン”を毎日同じ流れで習慣づけてください。(就寝前に)同じ流れをすることで『お風呂に入ってこういう流れで寝るんだ』というのが子どもにしみ込んでいきます」
その上で森田医師は、睡眠リズムを整えるために必要な「光」について、こう言及する。
「体内時計、睡眠のリズムを整えるのに『光』はとても大切です。例えば、夕方になってあたりが暗くなっても、家の中は明るいですよね。そうすると赤ちゃん・子供は、目から光が入ることで『まだ昼だな』と勘違いしやすくなり、眠気が遠のきます。寝る1~2時間前から家の中の照明をちょっと落としていただいて、できれば暖色系、オレンジ色の照明にしていただくと『これから寝るよ』というリズムになりやすくなります」
(『ABEMAヒルズ』より)
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