その輝かしい才能を目の当たりにし、人生に大きく関わる師匠となるべきか否か。今から13年ほど前に森下卓九段(55)は当時、小学5年生だった増田康宏六段(24)を弟子に取った。棋譜を見た瞬間に「この子だったらプロになれる。これほど強いのかという衝撃もありました」というほどで、それゆえに弟子入りを願う増田少年との初対面の時には「自分なんかでいいのか」と確認したほど。その理由には、同じ将棋クラブで育った将棋界のレジェンド・羽生善治九段(51)の存在もあった。