悩み苦しむ姿も様になるのは、貴族だから?「第1回ABEMA師弟トーナメント」予選Bリーグ1回戦・第1試合、チーム森下とチーム中田の対戦が1月15日に放送された。チーム中田として出場した佐藤天彦九段(34)は名人3期の実績を持ち、現在も順位戦A級棋士として活躍するが、この試合では決定局となった第5局こそ勝利したものの個人1勝2敗と、納得のいかない成績に。対局中だけでなく、盤を離れたところでも悩ましい表情を浮かべたことにファンからコメントが飛び交った。
溢れるファッションセンスと立ち居振る舞いから、ついたニックネームは「貴族」。この大会でも、少し前から茶色に染めた髪と、気品漂うスーツ姿で登場し、師匠の中田功八段(54)とともに初戦突破を目指していたが、いざ戦いが始まると、体を深く曲げてみたり、頭をかいてみたり。さらにはため息混じりの言葉が漏れるなど、人間らしさがにじみ出るシーンが満載となった。
個人としては増田康宏六段(24)との3連戦となったが、1局目、2局目と敗戦。それゆえに対局中も悩みまくった。これには思わず中田八段も「なんちゅう迷い方してんだよ。頭ポリポリしてもダメだもん」とチクリ。特に2局目は、自分の不出来を嘆くような様子にもなり、またも中田八段から「うなだれるなよ。もう一回やってもらうからな、おぬしなー」と突っ込まれていた。
最も悩みが言葉に出たのは、スコア2-2のフルセットとなって迎える第5局の前だ。第4局で中田八段が勝利したのを見届けると「問題は私だなー。うーん、どうしよう。うーん…」。自分の2敗を師匠が2勝で帳消しにしてくれたことで、決定局にリベンジチャンスが訪れたが、裏を返せばやはり自分が勝たなければチームの勝利がない。最終局を前になんとか頭をクリアにしようとしていた。
ここでもファンは盛り上がり「弟子の悩みw」「問題はピコ様」「かわいいピコ」とコメントが殺到。結果、最終局で勝利したことで、チーム中田は初戦の突破に成功し、佐藤九段にもようやく安堵の表情が見られると、ファンも同じようにホッとしたというコメントも見られていた。
◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)