<大相撲一月場所>◇十日目◇18日◇東京・両国国技館
前頭二枚目の宇良(木瀬)が小結・大栄翔(追手風)を押し倒して5勝目を挙げた一番で、土俵に腰を強打して背中から土俵下に転落した大栄翔に対して、一度は立ち上がりかけた宇良が再び土俵に手をつき、土俵下をのぞき込むようにして気遣う場面があった。何気ない宇良の振る舞いに対してファンからは「宇良ちゃんやさしい」「さすが宇良」と称賛の声が、一方では「あぶなかった」「腰がやばそう」と大栄翔を心配する声も聞かれた。
過去の対戦では3勝2敗で大栄翔が星一つをリードするも、ここ最近では宇良が連勝中という両者の対戦。仕切り線から少し距離をとり、頭を低くして立った宇良は大栄翔の厳しい突き押しをいなして素早く右に回り込むと、鋭く右を差して一気に前へ。宇良の勢いを止められずに防戦一方の大栄翔は、背走しながらバランスを崩して土俵に腰を強打すると、勢いよく背中から土俵下に転落した。
押し倒す際に前のめりになって土俵に両手をつき、一度は立ち上がろうとした宇良だったが、大栄翔の様子が気になったか再び土俵に手をつくと、前屈みになって身を乗り出し、土俵下をのぞき込むようにして「だ、大丈夫ですか?」と心配した様子で何やら声をかける一幕も見られた。
ABEMAで解説を務めた元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方は「見応えがあった」と口を開くと「(宇良の)体重が重くなったせいか、相撲の幅が広がり立ち合いで押し込んでいくということもする。押し込まれた後も非常に落ち着いていた」と宇良の取組を評価した。
取組後の宇良の振る舞いには伏線がある。宇良は今場所の二日目、大関・正代(時津風)との一番で押し出されると、ともに土俵下に落下。後頭部を打ちつけて支えられながら花道を後にしている。こういった出来事を踏まえて、一部のファンからは「脳震とう大丈夫そうだね」といった安堵の声も聞かれていた。(ABEMA/大相撲チャンネル)