「若い人に“パワポでまとめて報告しろ”じゃなくて、自分でダッシュボードを見ろよ」DXに消極的な管理職に夏野剛氏が喝
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 経団連の南場智子副会長が14日、牧島かれんデジタル大臣との会談で「コロナの感染拡大によって、我が国のヘルスケアの分野における遅れも露呈されたが、ヘルスケア領域におけるDXに関しても強力に推進していただきたい」と提言するなど、あらゆる分野で浸透が叫ばれている「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」。

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 しかし情報処理推進機構の「DX白書2021」によれば、日本企業の3分の1が「DXに取り組んでいない」と回答。また、株式会社IGSの調査によれば、大企業に務める40代社員の実に4割近くが「DXに関わりたくない」と回答したのだという。これは年代別で見ても最多で日本経済新聞も『DX遅れは中堅社員のせい? 40代「関わりたくない」4割』として取り上げ、大きな話題を呼んでいる。

【映像】40代が日本企業DX化の壁に?

■「鉄砲で戦っている時代なのに、いまだに刀で戦っている侍。いずれ滅びる。」

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 『日経ビジネス』のリーダー養成講座『課長塾』のナビゲーターも務めるタレントの福岡みなみは「“そもそもDXというものが認識できていない”という管理職の方も多いようだ。まずは“DXとは”というところから勉強するところが始まった時期なんだろうと思う」と話す。

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 事業開発支援などを手掛けているリディラバの安部敏樹代表は「40代というのは、大企業では管理職に就き始める時期。そしてDXというと、例えば今までハンコをついていたものをオンラインにしましょう、というのがイメージしやすい事例だと思うが、大切なのは決裁をデジタルに乗せるだけではなく、業務フローの効率化のために組織も最適化しようといった議論をすることも含まれていると思う。

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 そこで責任を負って、例えば“管理する人はこんなにいらないでしょ”“この会議、いるんだっけ?”といった提案ができるのかどうか、そして、“学びなおしましょう”となれるのかどうかだ。ただ、そこで、“でも、そういうことはしたくないな”という気持ちが出てきてしまうのは、分からなくもないし、大企業に対して、うちのように40代もそんなに多くいないような企業の正論を押し付けてもしょうがないかなとも思う」とコメント。

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 一方、上場企業の経営者でもある慶應義塾大学の夏野剛特別招聘教授は「企業においては、どれだけ少ないコストで多くの売上げを挙げられるかが利益に繋がるわけだ。その勝負のための道具としてコンピュータを使うのは、もう当たり前。それが苦手だという人は戦えないんだから、正直言って“早く辞めてください”、ということになる。鉄砲で戦っている時代なのに、いまだに刀で戦っている侍みたいな話で、いずれ滅びる。むしろ、その人の下にいる若い人の方がかわいそうなのであって、民間企業なのにドライに行かず、“かわいそうだし、教育してあげて…“と言ってしまうから、日本は効率が悪いまま、どんどん落ち込んでいくんだ。」と直言。

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 そこでケンドーコバヤシが「すでにデータ化された情報を引き出すといったことが、素人でも簡単にできるようになっているのではないか」と尋ねると、夏野氏は「できているし、導入もされているはずだ。にもかかわらず、見るのは部下に任せっきりな人がいる。DXに消極的というのは、そういう人のことだ。若い人に“パワポでまとめて報告しろ”ではなく、自分でダッシュボードを見ろよ、と思う」と語気を強めた。

■「みんなで山分けできる分が増えるようにするのがDX」

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 両氏の指摘を受け、テレビ朝日平石直之アナウンサーは「私もそういうものにようやく追随していく感じなったが、ABEMAに来る前だったら耳が痛い話だった」と苦笑。

 しかしケンドーコバヤシは「僕の仕事も、ライブを配信でやったり、デジタル化が随分進んできたと感じる。ただ、コロナが落ち着けばアナログに戻っていくんだという気もしている。これはかっこつけているわけではなく、お笑いの舞台では、観客との間に“ジャズ”というか、“スウィング“が必要だ。デジタル化を進めるものは進めていいけれど、無くす必要のないものは無くさなくていいし、職種によって、その見極めを臨機応変にすることが大事だと思う」と問題提起。

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 また、「SNSを使うのは得意だが、PCで仕事をするのは難しい」と明かすフィギュアスケート元世界女王の安藤美姫氏は「スポーツも、今は無観客・配信でやっているが、応援する側もされる側も、ライブの方が伝わるものが多い…」とコメントした。

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 すると夏野氏は「ライブにはライブの価値があるのはその通りだ。DXというのは、そこでライブのチケットをどう宣伝し、マーケティングするのか、そしてどうやってチケットを販売するのか、ということだ。つまり演者や選手には求められないかもしれないけれど、裏方、興行主の仕事では、ものすごく変化が起きている。

 東京オリンピックの時も、迫力が全く違うし、ものすごく高い値段を払っても来たい人がいるので、最前列だけを全てS席に変更した。その意味では、チケットガイドだけでチケットが売られていたり、印刷のためにコンビニに行かないといけなかったりというのはもちろんDXではないし、インターネットで座席の位置を確認できるようになっている時代でもあるので、本当に良い席は10万円、そうじゃない所は5000円という具合に、価格差もうまく設定できるようにするのがDXということだ」と説明。

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 安部氏も「もっと言えば、いままで中間の調整のためにかかっていた経費、コストが少なくて済むようになる。売上1000万円のうち、DXで事務コストが500万円から200万円に減れば、みんなで山分けできる分が500万円から800万円分に山分けできることになる。ミキティやケンコバさんの取り分も増えるはずだ。いいじゃないか(笑)」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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