畑で野菜を収穫したり、空に向けてロケットを打ち上げる子どもたち。これは来年度の開校を予定している学校の体験授業の様子だ。
去年11月、北海道から設置の許可がおり2023年度に北海道・長沼町での開校が予定されている『まおい学びのさと小学校』。現在は小学1年生から4年生までの生徒を募集していて4年生が卒業するタイミングに合わせ中学校を開設することも計画中。そしてこの学校、今”あること”で注目を集めている。
それは、一般的な学校では当たり前の“テスト”や“通知表”による数値評価がないという教育方針。その他にも児童会やPTA、さらには宿題もないという既存の学校教育のあり方を覆す、この学校の狙いとは何なのか。学校を運営するNPO法人『まおい学びのさと』代表理事の細田孝哉さんはこう話す。
「今の子どもたちや学校というのは、どんどん順番通り進んでいって、子どもたちの中から出てくる関心とか意欲みたいものが、全然生かされてないです。そういうものを育てるのは、押し付けや強制ではなく、子どもたちの自分の中から沸き上がってくるモチベーション、知的好奇心を大事にする教育で、そういう自ら課題を解決して行けるような大人になってほしい」
現在予定されている一週間のカリキュラムは、基礎的な学科の授業に加え、集団で行う体験授業が組み込まれている。
押し付けることはせず、子どもの自主性を育み、個性を伸ばすそんな教育方針に期待がかかる一方、一般的な教育を受けずに育った生徒たちは、高校の授業で他の生徒たちについていけるのだろうかという疑問の声も。
「15歳、16歳になると、思春期の一番大事なところを少し超えて、ちょっと大人になるじゃないですか。そこからは、もう自分の意思・関心・モチベーションで切り開いていけると思います」
既存の枠組みにはめることなく、テストや通知表で順位付けをしない。伸び伸びと子どもを育てていくという教育方針の裏には、細田代表が感じたという学校教育の”歪み”があった。
「なぜか学校社会だけが、成績・点数という1つのものさしですべて序列付けされてしまう。点数の取れる子はいいけど、とれない子が劣等感を持って、自己肯定感をすり減らされて。出来る子は逆に変に増長しちゃう。そういう歪みというか今はびこっているなっていう気がしますね」
現在80人の定員に対し、約60人の入学希望者がいるまおい学びのさと小学校。細田代表は「自由な教育が未来を変える」として、自己肯定感が高く、他者に寛容な若者を育てていきたいと意気込む。
「お互いに協力し合いながら『すごいね。そんなことに気づいたんだ』とか、そういうのを日々繰り返していくと、どんどん自己肯定感や友達に対する見る目がうんと広がっていくので。多様性を認められる子が必ず育つという風に思ってます」
(『ABEMAヒルズ』より)
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