人気・実力共にトップを走り続ける姉妹プロの存在感が、はっきりと見えた試合だった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」1月28日の第2試合、EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)がトップを獲得。第1試合では妹の二階堂亜樹(連盟)が苦しい展開の末にラスを引いており、すぐさまその借りを姉が返してみせた。
首位独走の時期は過ぎ去り、チームの順位は中段を行ったり来たり。どこかで上昇のきっかけをつかみたい、そんな状況で迎えたこの試合はKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、瑠美、セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)の並びでスタートした。瑠美は東2局1本場まで4局連続で失点、停滞ムードをなかなか断ち切れない。この状況を切り抜けるきっかけは、東3局2本場に訪れた。瑠美は3つ仕掛けてタンヤオをテンパイすると、カン五万のチーの後に同じくカン五万待ちという、相手からすれば盲点となる待ち取り。これが奏功し、茅森からロン。タンヤオの1500点(+600点、供託2000点)を手に入れた。
このアガリがチャンスの呼び水となったか、東3局3本場は13巡目にリーチをかけると、リーチ・一発・ツモ・平和・赤の1万2000点(+900点)を獲得。さらに親が落ちた東4局もリーチ・ツモ攻勢で跳満をアガり、大きくリードを広げた。南4局は追いすがる松本を抑え込み、ダマテンで1300点をアガって終了。11試合ぶりのトップで今期3勝目とした。昨年10月28日以来の勝利に、瑠美は一礼すると、深く息を吐いた。
勝利者インタビューでは「久方ぶりですね、実に長かったです」とまず感想を述べ、鳴きを駆使し、がむしゃらに掴んだ戦いを振り返った。ファンへ向けては「皆さんの応援、届いてます!悔しい亜樹さんのラスを取り返せるかなと思って座ったんですけど、なんとか牌に恵まれて、私も安心しました」と照れ笑い。最後は控えめなガッツポーズも画面に映された。
レギュラーシーズン前半はエース勝又健志(連盟)の好調もあり首位独走、しかし年末に思わぬ失速。この日も第1試合では亜樹がラス、順位も2ランクダウンしていたところで姉の瑠美が奮起。試合開始前と変わらず3位でこの節を終えた。妹が減らしたポイントを、姉がすぐさま取り返す。この展開に解説の渋川難波(協会)は「プレッシャーをはねのけて、トップを取った。見事でしたね!」と賛辞を送った。また、頼れる「お姉ちゃん」の戦いぶりに視聴者も「おめでとう!」「るみ姉さん最強や!」「イケイケゴーゴーるみるみフー!」と思い思いに応援の声を投稿していた。
この日、チームはわずかながらポイントの上積みに成功。これにはエース勝又、またルーキーながら主力級の活躍を見せている松ヶ瀬隆弥(RMU)も奮起し、自身の登板を待ちわびているはずだ。首位奪還までポイント差は100足らず、1日で入れ替わる可能性もある。奪われたものは取り戻す、連覇へ向けて仕切り直しだ。
【第2試合結果】
1着 EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)4万1900点/+61.9
2着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)3万8600点/+18.6
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)2万1000点/▲19.0
4着 セガサミーフェニックス・茅森早香(最高位戦)-1500点/▲61.5
【1月28日終了時点での成績】
1位 U-NEXT Pirates +296.9(66/90)
2位 KADOKAWAサクラナイツ +230.4(66/90)
3位 EX風林火山 +198.4(66/90)
4位 渋谷ABEMAS +176.0(66/90)
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +29.7(66/90)
6位 赤坂ドリブンズ ▲26.4(66/90)
7位 セガサミーフェニックス ▲39.7(66/90)
8位 TEAM雷電 ▲885.3(66/90)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)