世界屈指のフェザー級の強豪が集ったトーナメントで、元K-1 スーパー・ウェルター級王者がみせた異次元の強さ。元ムエタイ世界王者が座り込み「もう無理…」と完全に試合放棄する姿を受けファンに衝撃が走った。
1月28日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE:ONLY THE BRAVE」でスモーキン・ジョー・ナタウット(タイ)とチンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)が対戦。アラゾフが圧倒的な強さで終始、ナタウットを翻弄すると、2度目のダウンを奪われたナタウットが首を振って「もう無理、無理…」と完全降伏。実績ある選手のまさかの行動に視聴者からは「レベルが違いすぎる」「相手にならない」と驚きの声があがった。
フェザー級最強を決めるキックボクシングWGPトーナメントの準決勝。本来参戦予定だったマラット・グレゴリアンが新型コロナウイルスの影響で欠場となったが、代打出場とはいえ、ナタウットは元ムエタイ世界王者の実力者。一方、アラゾフは第2代K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者としての実績があり、日本でもおなじみの選手だ。
序盤から、テンポよくキレのあるコンビネーションを次々と当てるアラゾフ。鉄壁のガードを誇るナタウットだが、圧力に屈するように下がりはじめると、早くも「ヤリたい放題だな」「キレが半端ない」「パンチが重いな」とアラゾフの強さに驚嘆の声が並ぶ。
1ラウンド中盤、アラゾフがガードお構いなしでミドル、パンチの連打を浴びせると最初のダウンを奪う。マットに尻もちをつき呆気に取られたナタウットの表情は焦りより諦めに近く、再開後に前蹴りで吹き飛ばされるなど、その差は歴然だ。ラウンド残り1分20秒で再開すると、畳み掛けるようなラッシュで防戦一方のナタウットは、わずか10秒であっさり2度目のダウンを喫した。
ABEMAで解説を務めた大沢ケンジが「(ナタウットが)こんなにチンチンに…」と元ムエタイ世界王者の心境を代弁すると、視聴者も「心が折れたな」「レベルが違いすぎる」「相手にならない」と続いた。
実力の差をまざまざと見せつけられたナタウットは、マットに腰を下ろしたまま動く素振りを全く見せない。レフェリーが駆け寄り、表情を覗きこみながらカウントを進めると、レフェリーをちらりと見て「無理無理…」といわんばかりに首を振った。
これにはゲスト解説の志朗も「1ラウンドは持つかなと思いましたけど、何もできなかったですね…」とため息。よもやの戦意喪失にファンからも「ナタウットだって強いのに」「こんな事ってあるか?」「最上級のイヤ倒れだ」など、強豪同士の対戦で突きつけられた残酷な現実に驚いた様子だった。