「人目を気にして戦々恐々」がん罹患で感じた生きづらさ…病気と共生するために必要なこと
【映像】がん罹患で岡崎さんが感じた生きづらさ
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 毎年、新たに100万人近くがなると言われている「がん」。その数は生まれてくる子どもよりも多く、実は誰もがかかる可能性のある病気だ。突然告知され、がん当事者となった人が抱えるさまざまな悩みーー。団体「CancerX」は、その解決に向けて活動している。

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 「CancerX」は2018年に発足し、翌年からは2月4日の「ワールドキャンサーデー(世界対がんデー)」にあわせて毎年サミットを開催している。今年も当事者や医療者、行政など、さまざまな立場の人が参加。がんに関する多様な課題を可視化し、解決のための議論を行っている。

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 陶芸家であり、「CancerX」で広報を務める岡崎裕子さんは、団体の存在意義について「我々の団体のスローガンは、“『がん』と言われても動揺しない社会を目指そう”。2人に1人ががんになると言われていても、自分の身にそれが降りかかるっていう実感を持って生活されている方は少ないのが現状。がんと告知されれば、『仕事はどうしよう』『子育てはどうするのか』『自分の人生は、あとどれくらい続くのだろう』など、誰しも考えると思う。そのときに正しい知識を持って対処できるのが“目指すべき社会”だと思い、活動している」と明かした。

 実は岡崎さんも、がん当事者の1人。体調の異変も感じず、突然乳がんと告知されたときは、生きづらさや不安を感じたという。

「周りに『がんに罹患した』と話すことで仕事が回ってこなくなるのではないかと不安を抱えていたので、取引先には一切言わなかった。ただでさえ、家族の中で母親が病気になり不安定な状況に陥っているのに、外からも可哀想だと思われたら子どもたちがさらに不安になってしまう」

「保育園や幼稚園の先生には(がんであることを)伝えたが、友人関係にはほとんど話さずに闘病を終えた。そのときも『がんになると、とても生きづらいんだな』と思った。人にがんだとばれてはいけない(と思う)日々を約半年間続けていたが、その時期は人目を気にして戦々恐々としていた」

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 病気との戦いだけでなく、病気を抱え社会で生きていくことの難しさも同時に背負うことにーー。岡崎さんは「がん患者を社会がどう受け入れていくか」が課題だと話す。

「少なくとも“当事者が孤立しない社会”というのは、近い将来実現できるのではと思っている。相談できる場所を提案するのみならず、社会の皆さんに『がんは他人事ではない』と受け止めていただきたい。治療が良い方向に進んで復帰される方もたくさんいるので、皆さんが『がん=死』という考えを持たなくなれば、生きづらさを抱える人も減ってくると思う」

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 ニュース番組『ABEMAヒルズ』は岡崎さんと中継を繋ぎ、話を伺った。

ーー国内で2人に1人はがんになり、3人に1人はがんを原因として亡くなるという統計がある。この数字は一般的に知れ渡っているものなのか?

「私たちがまとめた調査によると、この統計の結果を質問して、正解できた人が5.9%だった。(がんになる割合と、がんを原因として亡くなる人の割合)両方とも正解できる人の数は、減少傾向にあるので、なかなか認知されていないと感じる」
 

ーーがんを身近な病気として捉えていくためにはどうすればいいか?

「2人に1人ががんになると言われているが、高齢者も含まれているので、必ずしも20代・30代が過剰に怖がる必要はない。ただ、検診に関しては実際に有効だと言われているがんもあって、乳がん・子宮がん・肺がん・胃がん・大腸がんに関しては、早期の発見が非常に重要である。国や自治体が推奨するタイミングで検診を受けるのが良い」
 

ーー自分ががんになったとき、どういった行動をとればいいのか?

「精神的なショックできちんとした判断や行動ができないことがある。そこで、防災マップを模した『防がんマップ』を3日に公開するので活用してほしい。また『Cancer アジェンダ』という名で具体的な18の項目を掲げて、目標が見えるようにした。範囲の広い社会問題ではあるが、ひとつひとつ解決できるようにしていきたい」
 

ーーがんと共生するために必要なことは?

「私自身も抗がん剤治療をして両乳房を摘出したが、罹患する前の生活にかなり近く戻せている。医療が進んでいることを知ってほしい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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