戦略の引き出しは多い方が強い。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月7日の第1試合、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥（RMU）が個人成績でトップタイとなる今期8勝目を獲得した。試合後は個人MVPへの意欲は控えめ、目標はあくまでもチームのセミファイナル、そしてファイナル進出にあると語った。
レギュラーシーズンはこの日を入れて残り20試合。選手にとってはセミファイナル進出圏内にいることへの意識が日増しに強くなっていく。ボルテージも高まるこの試合の対局者はKADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）、U-NEXT Pirates・朝倉康心（最高位戦）、TEAM雷電・萩原聖人（連盟）、松ヶ瀬の並びで開局した。
松ヶ瀬は東1局1本場、8巡目に一気通貫をテンパイすると、これをダマテンに構える。朝倉の先制リーチがかかってもリーチは自重し、終盤に岡田からロン。一気通貫・赤・ドラの8000点（＋300点）をアガリ切った。東3局1本場は鳴きを繰り出す。タンヤオ・赤2・ドラの8000点をテンパイすると、萩原のリーチを受けた直後にツモ、8000点（＋300点、供託1000点）で大きく抜け出した。南1局にも松ヶ瀬は鳴いてタンヤオをテンパイ、ドラ四万を3枚使いこなしての満貫は、この試合の決定打となった。
終わってみればこの試合、トップ者にしては珍しくリーチは0回。松ヶ瀬は個人トップタイの8勝目を挙げた。インタビューでは「素直に嬉しいです」としながらも表情はクール。しかしここまで松ヶ瀬の声を聞いている視聴者には、この顔が実は喜びを押し殺していることがよくわかるはずだ。「リーチが一番好き」としながらもこの日は一度も牌を横にせず、相手の勝負手をダマテンや鳴きで封殺した。松ヶ瀬はこの内容について「珍しい展開になりましたね、僕はたぶん、リーチをすごい打つ人なんで。鳴くべき牌は鳴く。ドラがいっぱい来ましたからね」と、淡々とこの試合を振り返った。
これで個人成績は2位に浮上、個人MVPも見えてきたが、連投してさらにポイントをしたいかという問いには「しなくていいなら、連投はしたくない」と意外なコメント。これには「ベストパフォーマンスは1半荘、それが一番いい結果を残せるので。やっぱり連投するというのは、脳にも体力的にも、必ずHPが減っていくので」と理由を説明した。
足元の目標はリーグ首位の奪還だ。松ヶ瀬は視聴者へ向けて「セミファイナル・ファイナルへ向けてチーム一丸で頑張ります」と、太い腕を上げてアピールした。これに視聴者からも「松ヶ瀬さん強すぎ！」と活躍を称える声が飛び交った。どんな状況にも対応する高い実力で、大型ルーキーがチームをけん引する。
【第1試合結果】
1着 EX風林火山・松ヶ瀬隆弥（RMU）4万1600点／＋61.6
2着 KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）3万6000点／＋16.0
3着 TEAM雷電・萩原聖人（連盟）2万4400点／▲15.6
4着 U-NEXT Pirates・朝倉康心（最高位戦）－2000点／▲62.0
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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