最後に美味しいところを持っていった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月11日の第2試合、渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）がオーラスに逆転、今期5勝目を獲得し、チームは首位に躍り出た。
第1試合で日向藍子（最高位戦）がトップを取り、笑顔で控室に戻ってきた。エースがこの勢いを途切れさせるわけにはいかない。東家から多井、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）、U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）という並びで戦いが始まった。
試合は堀がいきなりの跳満ツモ、多井はそれを追いかける展開となる。多井は東3局、鈴木と小林の2軒リーチに対して、鳴いて三色同順をテンパイ。ペン三万と待ちは苦しかったものの、これを見事にツモ。三色同順の1100点と打点は安いが、供託の2000点とライバルのチャンスを潰したという意味で大きな加点となった。南1局3本場はドラ表示牌で急所だったカン3筒を鳴いてタンヤオのテンパイ。タンヤオ・赤・ドラの6000点（＋900点、供託1000点）をツモって、ラス目から一気の追い上げだ。これで四者がほぼ横並びとなった。
南4局、多井は一気通貫含みの手牌を得ると、未来図は「チーして、1000点をアガって2着になろうとしか考えてなかった」が、手はメンゼンで育ちペン7索の一気通貫確定でリーチ。このタイミングで絶好のテンパイが入った堀から7索を一発で捕らえ、リーチ・一発・一気通貫の8000点が完成。逆転トップを手に入れた。
これでチームは同日2連勝、小林がラスに沈んだことで、U-NEXT Piratesをかわして総合成績でも首位に立った。多井はインタビューでこの局について「（メンゼンでテンパイするという）ミラクルが起きたんで、これはもう出アガリしてもツモってもダマなら2着のまま。面白くないからリーチしようと」と語った。セミファイナルシリーズ進出に向けて大きな連勝。3年連続ファイナル進出のチームが、リーグ終盤に本領発揮だ。各チームのエース対決が実現したこの好カード、ライバルとの戦いに燃えた多井がさすがのトップを取り切った。
この試合で多井は通算100試合目に到達し、Mリーグの生涯成績は＋1099.5となった。2位のKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人（連盟）の持つ＋553.3にダブルスコアで首位に立っている。この日の劇的な勝ちっぷり、そして改めて明かされた生涯成績に視聴者も驚愕。「さすが隆晴！」「人間業じゃねぇｗ」「多井強すぎる…」「ぶっちぎりやんけ」と圧倒されていた。エース対決を制した真のエースは、ポストシーズンへ向けてさらに勢いを増すか。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴（RMU）3万2500点／＋52.5
2着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）2万4800点／＋4.8
3着 KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾（協会）2万2700点／▲17.3
4着 U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）2万点／▲40.0
【2月11日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋303.3（74/90）
2位 U-NEXT Pirates ＋262.2（74/90）
3位 EX風林火山 ＋253.7（74/90）
4位 セガサミーフェニックス ＋126.4（74/90）
5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋120.7（74/90）
6位 KADOKAWAサクラナイツ ＋71.7（74/90）
7位 赤坂ドリブンズ ▲80.0（74/90）
8位 TEAM雷電 ▲1078.0（74/90）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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