プーチン大統領が“最も恐れていること”は?「ウクライナ危機」は本当に回避できたのか
【映像】プーチン大統領「ウクライナについて話そう」会談の様子(※冒頭〜)
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プーチン大統領「我々は旧知のパートナーであり、信頼関係はとても強い。ウクライナについても話しましょう

【映像】ロシア軍事演習の様子 雪の中で爆発も(5:25ごろ〜)

 緊迫するウクライナ情勢をめぐって15日、モスクワでドイツのショルツ首相と会談したロシアのプーチン大統領。プーチン大統領は、NATOの不拡大などについて要求は変えていないが「交渉の用意はある」と主張している。

 また同日、ロシア政府は、ドイツとの首脳会談を前に、ウクライナ東部の国境付近で演習を行っていた部隊が基地への帰還を始めたと発表。軍の撤収の様子だとする映像を公開した。ウクライナ危機は本当に回避されたのだろうか。

プーチン大統領が“最も恐れていること”は?「ウクライナ危機」は本当に回避できたのか
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 前日に続きニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演した『現代ロシアの軍事戦略』の著者で軍事アナリストの小泉悠氏は、プーチン大統領の“対話姿勢”について「歓迎すべきことだが、懸念要因がいくつかある」と話す。

「最大の問題は、アメリカのバイデン大統領が言っているように、どうもロシア軍が本当に撤退している様子がないということ。今回、かつてロシア軍にないほどの兵力が国境に集結していた。今は『本格的に戦争が回避された』と言えるほど、撤退していないのは明らかだ。去年の春先にも、ロシア軍がウクライナの国境周辺に集まったことがあった。一時撤退したが、このとき撤退したのは兵士だけで、装備品はウクライナの周りに置いたまま帰った。だから兵隊が戻ってくると、あっという間に兵力が戻る。今回撤退と言ってもどれくらいの撤退なのか、よくわからない」

 15日、ロシア下院では、ウクライナ東部の親ロシア派が実行支配する2地域の独立承認について、プーチン大統領に要請する案の採決が行われ、承認された。要請を承認するかどうかはプーチン大統領に一任された形になるが、一体これは何を意味しているのだろうか。

 小泉氏は「今はロシアが軍事力を梃子(てこ)に交渉を続けているフェーズだ」とした上で「2地域の独立を認めると、ウクライナと結んだ2015年の『ミンスク合意』が破綻する形になる。すぐに実行するわけではなく、プーチン大統領に一任された状態。プーチン大統領としては、西側とは対話ムードでも『東部は独立させちゃうぞ』と脅しをかけている。軍隊もまだ全然撤退していないので、形を変えてこれまでのゲームを続けているように見える」と見解を述べる。

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 ロシアのウクライナ侵攻が始まった場合、国際社会からの経済制裁は避けられない。プーチン大統領の狙いはどこにあるのだろうか。小泉氏は「プーチン大統領は旧ソ連圏の中で、ナンバーワンのリーダーになりたい。そこに外国勢力が入ってくるのは気に入らないわけだ。でも、ウクライナは言うことを聞かないし、NATOには新しい国が入ってくるし、不満をつのらせている。2010年以降からこの不満を暴発させている」と分析。

「プーチン大統領が最も恐れているのが、自分の政権が崩壊してしまうことだ。プーチン大統領は、アラブの国々で起きたような政権崩壊をなんとしても避けたい。旧ソ連圏内で民主革命が起きることを認めたくないわけだ。第二次ミンスク合意に同意するか、しないか。和平合意をどうするか。これが直近の焦点になってくる」

(『ABEMAヒルズ』より)

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