終盤のマクリは、緻密に組み立てたゲームプランのなせる業か。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021」2月18日の第2試合、“軍師”ことEX風林火山・勝又健志（連盟）が南4局に親跳満を決め今期8勝目。試合後はチームの順位にこだわりはないとして、冷静に先を見通した。
試合前のチームスコアは＋281.1と、レギュラーシーズン突破へ向けて視界は明るい。ポイントの上乗せは大歓迎、しかし大きなラスを食らいたくはない。勝又の知的な戦いぶりはどのようなお手本を見せてくれるのか、戦い方にも注目が集まったこの試合はTEAM雷電・本田朋広（連盟）、U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）、赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）、勝又の並びで開始した。
勝又の最初のアガリは東4局の親番だ。小林が東のポンでプレッシャーをかけてくると、勝又はメンゼンでリーチをかけたい手格好から、本田の切った二万をチーしてタンヤオのテンパイ。これをすぐにツモって1500点を手に入れた。小林はドラ一万が暗刻の勝負手だっただけに、この対応は大正解となった。
次局も2900点をアガった勝又だが、東4局2本場は自ら試合後に「甘い放銃だった」と語ることになる鈴木への8000点へ放銃。追い上げなければならない立場となるが、南1局にすぐ挽回のチャンスが訪れた。ラス目の親、本田からリーチを受けた後の7巡目。カン4筒を引き入れての4・7索待ちテンパイはノータイムで追っかけリーチ。これを一発でツモってリーチ・一発・ツモ・赤2の8000点を獲得した。
南4局1本場は4者全員にトップの可能性が残るし烈な争いとなった。ここでも本田の先制リーチを受けた勝又だったが、終盤に乾坤一擲の追っかけリーチだ。残り山に2枚のカン七万待ちを、なんとまたも一発でツモ。リーチ・一発・ツモ・赤・ドラ・裏ドラの1万8000点（＋300点、供託1000点）で、トップを決定付けた。今期、勝又が何度も見せている終盤の逆転劇。それを目の当たりにしたファンは「まじかよw」「勝又あるある！」「やっぱ終盤は勝又よな」と多くの声援を投稿していた。
勝利者インタビューではまず東4局2本場の満貫放銃から、南1局にすぐさま取り戻せた展開を振り返り、またオーラスの親跳満については「きついなと思いながら、形でリーチに行くしかないところ、たまたま一発でツモれて嬉しかったです」と喜んだ。
チームは首位争い、一時は目減りしたポイントも回復しつつあるが、勝又は「1位には現段階ではそんなにこだわってなくて、しっかりと4位以内でセミファイナルに進むということが目標だと思っているので」とあくまで当面の目標はレギュラーシーズンの突破であることを強調。また残り試合から考えて「ラス3つ分くらい余裕ができたのかな」と、独自の観点からシーズンを見通した。冷静沈着な軍師がいる限り、チームが大崩れすることは考えにくい。昨期の覇者として勝又は、チームをファイナルまで導こうとしている。
【第1試合結果】
1着 EX風林火山・勝又健志（連盟）4万3600点／＋63.6
2着 U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）2万2900点／＋2.9
3着 赤坂ドリブンズ・鈴木たろう（最高位戦）2万1200点／▲18.8
4着 TEAM雷電・本田朋広（連盟）1万2300点／▲47.7
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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