「色素性乾皮症というのは、生まれつき遺伝子の組み合わせ、お父さんとお母さんの遺伝子の組み合わせによって、生まれる子たちで普通の人の2000倍くらい皮膚がんになりやすい病気です」
こう話すのはピーカブー代表取締役の松成紀公子さん。色素性乾皮症は紫外線に当たると皮膚にしみが生じ、乾燥するなど皮膚に関する様々な症状が現れるため、日中に外出する際には、紫外線から肌を徹底的に守る必要がある。
そこで、紫外線対策専門の製品を企画する株式会社ピーカブーが“1枚着れば外に出られて、暑い日も快適に過ごせる”ファン付きの「紫外線防護服」を開発した。
「小学校の中学年くらいから神経症状が出てしまって、運動能力が落ちていってしまう子もいますので、その前にたくさん運動をさせてあげたいですし、運動会も本当は出させてあげたいんです。でも帽子もマスクもサングラスもアウターも何枚も着て、長ズボンに手袋をしていると、暑くて外に5分出られないので『私たちには無理なのかな』と思ってしまう。それがかわいそうだなというところもあり、なんとか運動会ぐらいは出してあげたいと思いました」
ピーカブーが1枚の服で子どもたちが安心して外に出られる製品を目標に、クラウドファンディングで支援を募ったところ目標金額を達成。このプロジェクトには、色素性乾皮症をはじめ、紫外線に悩む人々が世の中に多く存在するということを知ってほしいという思いが込められているという。
「実は色素性感染症の人だけじゃないんですよ。紫外線を避けて生活しなくてはいけないのは。例えば膠原病であったり、がんを患ったあとの1年間は免疫が下がってしまうので『紫外線対策してくださいね』と言われる患者さんがいることも知っていますし、そういう人たちもたくさんいらっしゃいますので、その人たちにも向けて発信できるのかなと」
3年かけて製作した紫外線防護服。27日、松成さんらは色素性乾皮症の子どもへ紫外線防護服をプレゼントした。色素性乾皮症の患者は国内で500人ほどといわれているが、今後も冬用の防護服なども含め子どもたちが快適に過ごせる製品を企画していきたいとしている。
「『これを1枚着れば外に出られるんだね』というお子さんたちの声があったのがすごく嬉しかったですね。(お渡ししたお子さんの)お父様は『活動時間や場所が増える』とおっしゃっていました。活動時間と場所が増えれば、その分だけ違った経験ができるのですごく嬉しい言葉だなと思いました」
(『ABEMAヒルズ』より)
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